[骨の妙味 45]

頭蓋骨ついてが続いていますが今回も頭です。
「小籠包」や「中央フリーウェイ」は頭皮がブヨブヨしてる場合に有効ですし必要でもあるんですが、前頭部がガチガチに固くなっていたりオデコの両ふちがコブのように盛り上がってる人には「UFOキャッチャー」がとても効果的で…………「小籠包」とか「中央フリーウェイ」とか「UFOキャッチャー」とか、ヘンテコな名前がたくさん出てきてますが、すべて大脳の緊張をゆるめるためのマトモな技の名前でして、決して怪しい団体ではありませんし心霊治療でもなければ霊感商法などの物売りでもありませんので、そのあたりは誤解のないようお願いします。えっ、充分に怪しいってか?

「UFOキャッチャー」はコメカミや蝶形骨のまわりをゆるめる技ですが、ここをゆるめると頭全体から緊張が抜けまして、前頭部の張りやオデコの盛り上がりだけでなく、上手くゆるめば後頭部まで弾力が出てきます。

後頭部については経験と知識が必要なためにこのコーナーではあまり取り上げませんが、膠原病(こうげんびょう)の人の後頭部は後ろに飛び出していることが多く、手のひらで後頭部を包みこむと特徴的なのですぐに判ります。ツタンカーメンの頭蓋骨がそれに似ています。

さて、最近は整体教室で「UFOキャッチャー」を省いてました。技術的に少しむつかしいのと、自分の身体を上手く使わないと腕や背中の筋肉が疲れるからなんですが、やっぱり4級でやりましょうか。4級クラスの生徒さんならどうすれば疲れずにできるか、ナゼその姿勢を保つ必要があるのかを理解できるでしょうから。
ただし「UFOキャッチャー」はベッドでの施術だと自分の背中に負担がかかりすぎてしまいますので、床に仰向けで寝せた状態でおこなってください。

施術者は相手の頭をヒザで挟む位置に正座するのがベストです。
それで、体重を後ろ側にかけてヒザを浮かせ、UFOキャッチャーしている手の甲をヒザで押すことで腕の力を使わずに済みますが、これは説明するのがむつかしいため教室でお教えします。

ゆるめる位置ですが、左右それぞれ目と耳の間で直径約4㎝ぐらいのエリア(※注1)です。
上部(頭に近い部分)をゆるめますと前頭葉の緊張を落ち着かせるのか、内側から盛り上がって岩のように固くなっていたオデコや前頭部がスーッと鎮まるんです。これってものすごく大事なことで、最近は男性よりも女性のほうに頭蓋骨が大きくなって、いわゆる”デカい頭”の人が目立っているようにも感じています。けど、頭がいい人が多いことも事実です。要するに睡眠中でもモノを考えてるんですね。だからでしょうか、ほとんどの人が髪の毛はパサパサかゴワゴワです。
目の疲れが原因の偏頭痛もここをゆるめます。
(※注1:頭蓋骨全体が萎縮して小さくなり、このエリアがくぼんでいる場合は触らないでください。むやみに触ると危険です)

意識不明の患者さんも言葉や手振りで想いを表現できないだけで、モノは考え続けてます。
それで意識不明中でもハゲてしまうため、ハゲないように注射をしたりもするんですけど、考えさせないためにボーッとする薬を注射するんでしょうかねぇ。
さて、前頭部やオデコの張りがおさまったら次は必要に応じて1番や1.5番を直接ゆるめれば、頭の中の状態はかなりまともになると思います。

また、4㎝エリアの下部(コメカミあたり)はエリアを覆う側頭筋の元締めがあり、耳に影響がある場合もあるように思います。耳鳴りとか突発性難聴とか。
ただし下部でも前側(目に近い部分)はもちろん目の疲れがたまる箇所でもあるため、頭蓋骨の中のキョウ骨に側頭縁(そくとうえん)という部分がありまして、その奥へ指をゆっくりと挿し込み、グリグリする筋肉を上か下にじんわりとずらせば目はスッキリします。
自分でも目が疲れたら応急措置としてちょっと強めにグリグリすれば、目がスーッと楽になることでしょう。