ちきゅう号

よく受ける質問コーナーで、「海底探査船のちきゅう号が爆弾を仕掛けてるって、本当ですか」をほったらかしにしてありました。

忘れてた訳ではありません。あまりにアホくさいので、答えるのが面倒だったんです。

ようするに、ちきゅう号が海底1万メートルあたりに核爆弾とかブラズマ兵器?を仕掛けて地震を起こしてる、ってウワサでしょ。

まず、地震が何らかの兵器によるものかは答えられません。判らないからです。

ですが「時空間日和」にも書きましたが、もしアメリカが地震兵器を持っているなら、ロシアも中国もそれを手にしているため、中国での地震までアメリカの地震兵器によるというのは、ちゃんちゃら可笑しいや。

アメリカ政府がエドワード・スノーデン氏を必死に捕まえようとしている理由は、そんなこととは違いますし。

で、ちきゅう号ですが、海底1万メートル(10㎞)までの穴を掘る能力はありません。

愛知県沖でメタンハイドレートの調査をした際にも、海底を400メートル掘るのに2週間を要してました。

ウワサでは、1月17日から3月11日までの2ヶ月弱で、1万メートル掘ったことになっていますが、絶対に無理です。

名古屋科学館で「特設
ちきゅう号コーナー」を担当した学芸員氏は、実際にちきゅう号に乗った経験をお持ちでした。

「ちきゅう号は海底1万メートルぐらいなら、簡単に穴を掘れるのですか?」
「無理です、絶対に。仮に掘ったとしても、6000メートル~7000メートルが限度だと思いますし、最低でも1年半は必要です。最低でもですよ」

「1万メートルまで掘る能力がある海底探査船って、日本にあるんですか?」
「聞いたことないです。以前、ドイツの探査船が6500メートルまで掘りましたが、それが海底としては最高だと思います。やはり1年半ほどかかりましたよ。ただし、海底ではなく、地上からならロシアが1万メートルまで掘ったようです。けど、ロシアの言うことなので、どこまで信じていいのか……」

「最近は、ちきゅう号がいるところで地震が起きてるようで、ナゼですか?」
「地震が起きたところにちきゅう号が急行してるんです。調査のために」

「けど、ちきゅう号の資料に“海底で人工地震を起こして……”って書いてありますが?」
「あれは、別の船が海底に向けて水圧をぶつけるんですよ。それで、海底の振動の仕方をちきゅう号が計測することで、海底の様子を探るんですね」

と、まぁこんな調子なので、ちきゅう号悪者説は気にかけないようにしてください。

それと、最近はもうひとつけっこう腹が立つ質問がありまして、今まで7人ぐらいから聞かれました。
「太陽って、本当は25度なんですか?」

やれやれ。7人ほどから聞かれたってことは、それを言ってるのが複数いるんだろうけど、全否定してやる。

不服なら物理学者と天文学者に参加してもらうし。
めっちゃ賢いぞ、その手の問題に関しては。