J-PARC 2013

2012年のJ-PARC見学は一般公開日だったので、施設への入場にものものしさはありませんでしたが、今回は特別に許可を取っての見学なので、入口ゲートで全員が身分証明書の提示を求められ、警備側にもこちらの提出した名簿が用意されていたので、ちょっとだけ緊張感があって楽しかったです。

物質・生命科学実験施設では、加速器で加速させた陽子の塊を水銀にぶつけて中性子を発生させます。
そのまわりには放射状にいろんな実験施設があり、四方八方に飛散した中性子を各施設がそれぞれの目的で研究していました。

中性子が飛び散るのを防ぐ遮蔽体がしっかりしているためか、施設内の放射線量は拍子抜けするほど低く、外部の数値とまったく同じ。

それで、この各実験施設のネーミングが面白く、「アマテラス」とか「千手」、「大観」「写楽」「四季」などと名付けられていて、けっこう興味深かったです…………けど、ニュートリノとは関係ないからさっさと次へ。

へヴィメタ物理学者の多田さんが案内してくださったのは、神岡のスーパーカミオカンデへ向かうニュートリノの最終計測地点でして、そこを通過したニュートリノは地中を神岡へまっしぐら。
295㎞先のスーパーカミオカンデに0、001秒後に到着し、運よく水分子の原子核にぶつかると、そこから電子が飛び出してチェレンコフ光を発します。

とはいっても、原子核にぶつかるニュートリノは、1兆個のうちの1個もないので、なかなか検出できませんけども。

スーパーカミオカンデは2006年に水(純水)の入れ替えをして以来は1度もタンクの蓋を開けてないことになっていますが、実は1度だけ開けたそうです。天皇陛下が視察されたとき。

ハイパーカミオカンデもかなり計画は進んでいるようですが、もし予算がおりても完成は最低10年後のようなので、もうしばらくはスーパーカミオカンデが子宮のハタラキをすることになるのでしょう。

飛騨神岡はスーパーカミオカンデだけでなく、
大型低温重力派望遠鏡「KAGRA」
暗黒物質検出装置「X-MASS」
新世代ニュートリノ観測施設「Kam
LAND」
重力派天文台「CLIO」
など、世界最先端の素粒子観測施設が揃っているので、やっぱり21世紀の高天原は”神の降りる岡”、神岡です。

素の粒子こそ

素の神なりて

素を求めよの

日之本の民よ

というわけで、他は原稿に書きます。

2013120312440001.jpg