暑さ寒さも彼岸までと申しますが、春分(20日)を境にして白馬村へも春の陽射しが届くようになってまいりました。
3月に入ってからは晴天率も高くなり、白馬連峰の美しき姿を見られることに喜びを感じながらも、終わりつつある冬を惜しんでおります。
19日には15㎝の積雪がありましたけど、おそらくそれもこの冬では最後のこと。
朝の最低気温も氷点下(冬日)が3ヵ月以上続いていたのに、12日はついにプラスへと転じてしまいました。昨年12月4日以来で98日ぶりのことです。
その後も-8.4度まで冷え込む朝もありましたが、そろそろこのような景色は見納めになるのかと思うと寂しい限りです(写真 1)。
日に日に雪どけが進んでいるため、雪がたっぷり残る野平(のだいら)地区までハチと散歩に行ったときのことです。この地区へ来ると観光客はもちろんのこと住人ともほとんど出会うことがなく、誰にも邪魔されず大自然を満喫できる時間が過ごせます(写真 2)。
そんな訳で眩しいほどの陽射しを浴びながら散歩をしていて、ある民家の角を曲がったら雪原の中に白い大型犬を発見しました。飼い主の姿は見当たらないので近所の犬が放してあるのでしょう。
「おーぃ、こっちおいで。ひとりで遊んでるの?」
ずいぶんと大きな犬ですが白熊のはずはないので声を掛けてみました。けどこちらを振り向くことなくジーッとしたままです。
何をしてるんだろうと思いつつ近づいてみると、犬ではなく雪の塊でした(写真 3)。
これにはしばらく笑いが止まらず膝はガクガクして立っていられないし、ハチは怪訝な顔でボクを見上げてるし、喉が渇いたけど自販機なんてどこにもないので大変でした。
この冬は白馬村が久しぶりに豪雪地帯へと戻りました。
昨シーズンは年明けの1月7日までスキー場にもまともな積雪がなく茶色いゲレンデが見えてたんですが、今シーズンは12月に入ると同時にジャンジャン積もり始め、それが3ヵ月間も毎日のように続いたもんだから雪かきがもう大変。
道路の除雪もシーズン前に組まれた予算の2億1100万円はすぐに使いきってしまい、1月には臨時の村議会で補正予算として1億2000万円の除雪費用が追加されました。それでもまた足りなくなって、さらに1億8700万円が計上されるといった異常事態。
けどさすがは人気の観光地でありオリンピック開催地なので予算に余裕があるのでしょうか。いえ、そうでもないんですけど、富山や新潟など除雪が追いつかずに身動きが取れなくなって住民が困っているようなことは一度もありませんでした。
スキー場では雪が多過ぎて、雪不足のシーズンとは違った苦労があったようです。
昨シーズンは2月の中旬に暖かい日が数日間続いたので、2月20日ごろ八方尾根スキー場の積雪は215㎝でした。これはゲレンデの積雪ではなく、山頂付近で圧雪してない箇所の積雪量です。
それが今年は同じ時期で650㎝。
ボクは名古屋にいるころから新聞のスポーツ欄に掲載される各スキー場の積雪量をもう何十年間もチェックしてまして、多い年ですと八方尾根スキー場やコルチナスキー場は4メートルを超えて425㎝とか460㎝ぐらいまで積もってましたが、6メートルを超えてたのは記憶にありません。忘れてるだけかもしれませんけど。
ちなみに、八方尾根スキー場の積雪が150㎝程度の場合、麓に近いゲレンデに雪はほとんどありません。ゴンドラとリフト計3本を乗り継いで到達した山頂付近の誰も立ち入ってないエリアで積雪が150㎝なので、麓に近いゲレンデはおそらく5~10㎝ほどで、滑走禁止になっている可能性が高いです。
ちょっとした用があってホテル・民宿街へ行ったらすっかり静かになってました。外国人観光客もそれぞれのお国へとお帰りになり、夏の登山シーズンまでは商売屋さんものんびりお休みができるのではないでしょうか。その前にゴールデンウイークがあるけど。
ほとんど人通りがなくなったホテル・民宿街のバスターミナル前(写真 4)。
最近この地区には分譲の別荘?なのか新しい物件が増え続けていて、だいたいお値段は1~2億円なんですが、すぐに満室になるそうですのよ。よかったですこと。
バスターミナル(写真 4)の少し先に小さなビルがありまして、1フロアー独占3LDKの分譲マンションになってました。
このビルのアルプス側には隣接して他のビルが建っているため窓からアルプスの景色は見られませんけど。
そのお値段、4億3900万円でございます。
この地区ですよ、一昨年も昨年も地価の上昇率が全国で4位だったのは。
しかも1~3位は一昨年も昨年も熊本と北海道の半導体を製造する工場周辺なので、半導体バブル以外では白馬村が2年連続で日本一ってことですね。富良野のようになる前に手を打たないと知らないよ。富良野のスキー場ではリフトの1日券がついに1万円を超えたんですってね。
春が訪れ、道路や歩道の雪は消えてしまいました。残ってる歩道もありますけど。
近所のおじさんはすでにノーマルタイヤに履き替えたとおっしゃってましたし。たしかにスタッドレスは必要なくなりました(写真 5)。
冬は終わってしまいましたが昨年の春を思い返していたら、毎日が楽しくて仕方なかったことを忘れてました。
そうでした。昨年の春はこれまで40年以上生きてきた中で………正確には60年生きてきて一番ワクワクした春でした。
木々には鮮やかなピンク色の山桜やハナモモ?が咲き誇り、ソメイヨシノはごく限られた道沿いにしかありませんし。
大地にはこれまた色とりどりの花が咲き乱れてまさに百花繚乱。
今はこのような雪に埋もれた大地ですが、あと数週間で鮮やかな世界へと生まれ変わります(写真 6)。