日々是白馬村」カテゴリーアーカイブ

日々是白馬村 part 54

今年も田んぼ鏡(鏡田んぼ?)の季節がやってまいりました。そこら中の田んぼが鏡になり、一番のお気に入りは白馬駅裏にあります。
昨年も同じ場所から同じ角度で撮っていて、比べてみると今年はドカ雪が続いたのでまだ残雪も多く、その差がはっきりと確認できました。
快晴+雲ナシ+風ナシ黄砂ナシ(+できれば前日に雨が降って上空に舞っていたホコリが流されていれば空がより青くなってさらに良し)といった好条件が揃うことは稀で、今年は5月8日がその日になりました。
残雪多き今年5月8日の田んぼ鏡と、残雪が少なかった昨年5月10日の田んぼ鏡(写真 1・2)。

この時期、白馬村では春と初夏がしばらくの間は同時進行しまして、昨年の絶好田んぼ鏡日和(5月10日)の朝は放射冷却によって冷え込み最低気温は-0.5度の冬日。日中は23.9度まで上がって夏日のやや手前で暑い暑い。暑いけど八重桜は満開だしヤマザクラもまだまだ残っていて春は終わってません。ませんけど陽射しは初夏で半袖じゃないとやってられず、春と初夏が重なっているんです。縄文時代と弥生時代が重なっていたように。
縄文時代は紀元前千年~紀元前三百年ごろを晩期としてこれで縄文時代が終わるんですが、弥生時代も紀元前千年ごろから始まっていたので同時進行でした。けど、こんな話は弥栄古代史研究室の管轄ですね。
今年(5月8日)は最低が0.4度で最高が20.7度。一日で冬日と夏日が味わえる二度美味しい日は残念ながら今年もお預けになりました。

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日々是白馬村 part 53

前回のpart 52で野平(のだいら)の一本桜を見ていただいたところ
「映画に出てきそうですね」
「素敵なので来年は行きたい」
「白馬村のどこにあるんですか」
といったメールを5~6通いただいたので、秋の一本桜、冬の一本桜、春の一本桜、夏の一本背負いを並べてみました。ほぼ同じ位置から撮ってます。夏は嘘です(写真 1・2・3)。

話は変わり、やっとのことで白とラベンダーの麗しき特急あずさを撮ることができました。
♪8時ちょうどの あずさ2号で
 私は私はあなたから 旅立ちます
の、特急あずさは毎朝8時ちょうどに新宿を発ち、昼前に白馬村へやって来ます。
白馬駅の次は終着の南小谷(みなみおたり)駅ですが、途中で信濃森上(もりうえ)・白馬大池・千国(ちくに)の通過駅があり、ボクは信濃森上駅近くで絶好の撮影ポイントを見つけていたので、4月初旬の晴れた日に雪の残る田んぼの中で待ち構えていました。
白馬駅に午前11時42分着なので、おそらく45分前後には通過するはずです。ハチを抱きかかえたまま踏切の警報音が鳴り出すのを今か今かと待っていたんですが、待てど暮らせど列車が来る気配はありません。
遅れてるんだろうか?
何しろ大糸線は単線なので頻繁に遅延するんです。
待つこと40分。それでも来ないので一旦は帰りました。仕方ないので午後の上り列車を狙うことにしよう。

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日々是白馬村 part 52

白馬村にも春が訪れ、里の雪はすっかり消えてしまいました。
代掻き(しろかき)が始まった田んぼには残雪の白馬連峰が美しく映り、季節の移り変わりを感じてます。
冬は終わってしまいましたが、まばゆい春も村は魅力にあふれ、ますますハチとの散歩が楽しくなりました(写真 1)。

この時期には白馬岳の山肌に代掻きをする馬の姿が現れ、いつしか代掻き馬の“代(しろ)”が“白”へと転じ、それで“白馬(しろうま)”となり、やがて“白馬(はくば)”と呼ばれるようになったという有力な説があり、なので通ぶった人は白馬岳を“しろうま岳”と呼びますが、白馬村で超有名な山岳ガイドさんはその説を完全否定されてました。
最近はボクも“はくば岳”と呼ぶ方が好きなんですが、通ぶり人から「あれは“しろうま岳”って読むのが正しいんですよ」と訂正が入るのでどうしましょう。
それと、アパートの部屋の窓から真正面に白馬岳が見えるんですが、どこにも代掻きをする馬は見つかりません。何かに腰掛けて弁当を食べてる爺さんっぽい姿は見えますけど。あと、ウルトラセブンに出てたビラ星人みたいなのも。
お馬さんはどこにいるのだろう。

里では雪解けが進むとまず顔を出すのがフキノトウで、村内どこへ行ってもフキノトウだらけになります。フキノトウの隙間にはフクジュソウが黄色い花を咲かせ、一週間もすれば今度はスイセン村へと変貌をとげます。福井県の越前海岸みたいだ。
ハチの散歩道もスイセン通りになってました(写真 2)。

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日々是白馬村 part 51

暑さ寒さも彼岸までと申しますが、春分(20日)を境にして白馬村へも春の陽射しが届くようになってまいりました。
3月に入ってからは晴天率も高くなり、白馬連峰の美しき姿を見られることに喜びを感じながらも、終わりつつある冬を惜しんでおります。
19日には15㎝の積雪がありましたけど、おそらくそれもこの冬では最後のこと。
朝の最低気温も氷点下(冬日)が3ヵ月以上続いていたのに、12日はついにプラスへと転じてしまいました。昨年12月4日以来で98日ぶりのことです。
その後も-8.4度まで冷え込む朝もありましたが、そろそろこのような景色は見納めになるのかと思うと寂しい限りです(写真 1)。

日に日に雪どけが進んでいるため、雪がたっぷり残る野平(のだいら)地区までハチと散歩に行ったときのことです。この地区へ来ると観光客はもちろんのこと住人ともほとんど出会うことがなく、誰にも邪魔されず大自然を満喫できる時間が過ごせます(写真 2)。

そんな訳で眩しいほどの陽射しを浴びながら散歩をしていて、ある民家の角を曲がったら雪原の中に白い大型犬を発見しました。飼い主の姿は見当たらないので近所の犬が放してあるのでしょう。
「おーぃ、こっちおいで。ひとりで遊んでるの?」
ずいぶんと大きな犬ですが白熊のはずはないので声を掛けてみました。けどこちらを振り向くことなくジーッとしたままです。
何をしてるんだろうと思いつつ近づいてみると、犬ではなく雪の塊でした(写真 3)。

これにはしばらく笑いが止まらず膝はガクガクして立っていられないし、ハチは怪訝な顔でボクを見上げてるし、喉が渇いたけど自販機なんてどこにもないので大変でした。

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日々是白馬村 part 50

白馬村に越す床して1年半が経ち、このコーナーもちょうどpart 50になりました。
そしてハチと過ごした2回目の冬が終わろとしております。まだ終わってませんけど。終わらないでほしい。終わってはいけません。

半年ぶりぐらいに八方尾根スキー場の麓に広がるホテル・民宿街へハチと散歩に行きました。
ここはオーストラリア人多発地帯(みそらの地区)から少し離れてはいるんですが、やはりここもガイジンの集団がウヨウヨしている地帯なので、普段は丸腰で近づかないようにしてます。
※なんて書いてはいますけど、実はハチと散歩していて気持ち良い挨拶をしてくれる確率が圧倒的に高いのはオーストラリア人です。観光客も在住の人も。
狭い道を散歩中、車が来るとハチを抱きかかえて道のふちへ避けるんですが、在住のオーストラリア人は必ずお礼の合図を送ってくれますし。
わざわざ避けているのに知らん顔して通り過ぎる確率が一番高いのは、都会から来た日本人の若い連中です。

話を戻しまして、この地区は学生時代にアルペンスキーの合宿や試合で数々のホテルや民宿にお世話になっているんですが、当時の女将さんたちはもう天国へ行ってしまって寂しい限りです。もう40~50年も昔のことなので仕方ないですね。
ちなみに民宿というのは全国にありますけど白馬村が発祥だそうで、白馬村の中でも八方尾根スキー場の麓、ここ細野地区から民宿は始まったんですって。

懐かしの地区を丸腰で散歩していたらハチが狭い路地へと入っていきました。ボクも通ったことのない路地です。
進んで行くとその先は雪の壁があり行き止まりになっていました。
なのでボクはハチを抱きかかえて通りに戻ったんですが、またハチはその路地へまっしぐらに突き進んで行くんです。他の犬のマーキングが気になるのでしょうか。
けどクンクンするわけでもないので、再び抱きかかえて通りまで戻ってもまた一目散にその路地へ入って行くので、仕方なくそのまま歩かせました。そしたらある場所で突然ハチが座り込んでしまったんです。
足が痛いのかと心配したんですが、痛いときは立ち止まってボクの顔を見上げます。けどそんな素振りはまったく見せなかったので何だろうと思いつつ何気なく目の前を見たら、民宿の屋根から龍神さん?が降りてきてました(写真 1)。

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日々是白馬村 part 49

大自然が創作した現代アート展(2025 冬)

エントリーNo.1、銅像
アパートのすぐ近くで見つけました。見た瞬間はリビアのカダフィ大佐とかパナマのノリエガ将軍のような独裁者を思い浮かべたんですが、別の角度から見たらアヒルの国の皇帝陛下っぽかったです(写真 1)。

エントリーNo.2、ギロチン
ハチと白馬駅へ向かう途中、何かのモニュメントか氷の彫刻が飾ってあるのかと思いきや屋根から集団で落下してきた殺人ツララ軍団で、雪に突き刺さったままの体勢を保ってました。
この真下で作業中の人がいたとしたら春まで発見されないかもしれない(写真 2)。

エントリーNo.3、リーゼント
横浜DeNAベイスターズの三浦監督に憧れてるのでしょうか、それとも氣志團のファンなのか、リーゼントのメルセデスがいました(写真 3)。

エントリーNo.4、異次元ポータル
国道から逸れて民宿が並ぶ通りを歩いていたら、先にキラキラ光る何かが見えました。
あれは何だろう?
近づいてみるとほぼ全身が埋もれかけ、わずかに生き延びているカーブミラーでした。
異次元へ出入りするポータルではなかったです(写真 4)。

エントリーNo5、信玄公の遺影?
五竜岳の山頂付近には冬になると毎年これが現れます。
今年もくっきりと信玄公の家紋である武田菱が出現しました。武田信玄ファンの聖地にはなってないようですけど。それにしてもお見事(写真5・6)。

エントリーNo.6、破壊王
現代アートではないんですが、我がアパートの屋根の雪庇(せっぴ)はちっとも落下せず、どんどん成長しております。
♪ごらんあれが雪庇岬 北のはずれと
見知らぬ人が指をさす…………
それは竜飛岬な。
そうね。この雪庇がいよいよ落ちてくると強烈な破壊力でして、給湯器とかエアコンの室外機を豪快にブチ壊してしまうんです。反グレも恐れるマジでヤバい連中です(写真 7)。

やっぱり冬は楽しくてやめられない。
また寒波が来るみたいなので、寒波が去った後の晴れが待ち遠しいです。積雪はほどほどにしていただきたいですけど。
それでも白馬村は3千メートル級のアルプスが雪雲を阻んでくれてるので、向こう側の富山や新潟ほどじゃなくて助かってますけど。
毎週のように富山からスキーに来る人たちがいて、ときどき富山の美味しいお土産をいただいたりしてるんですけど、ここしばらく来てませんでした。
富山の自宅周辺に雪が積もりすぎてスキー場まで行けないとのことです。
雪が多すぎてスキー場へ行けないって、なんだか笑えますね。

日々是白馬村 part 48

今シーズンも白馬村は外国になっています。
スキー場に近いエリアや白馬駅周辺は日本人がマイノリティになっているため英会話の勉強にはなりますが、銀行や郵便局で流れてる噂によると来年から村の通貨がオーストラリアドルになるとのことです。住所もオーストラリア国の北半球州白馬村自治区に変わるため、日本から手紙を出すにしても北海道のニセコ町と長野県白馬村は国際郵便扱いになるのでご注意ください、って。村民の国籍はどうなるのでしょう?

この季節は積雪のため農道や細い抜け道が通れません。なのでハチの散歩はまず白馬駅へ向かいます。
それがたまたま昼前だったりすると11時42分着の“特急あずさ”から無限に吐き出されたガイジンが一帯を占領するため、敗戦国の植民地のような様相を呈しています。新宿からの直通はこれ1本だけなので他の時間は平和ですけど。
それと、これほど多くの人が狭い空間に密集しているのを見るのは近年だとオンバシラ祭り意外にはない。
“特急あずさ”の到着後、しばらくしてやや落ち着いてきた駅の改札口前(写真 1)。

この“特急あずさ”ですけど、新宿発が8時ちょうどのくせして“あずさ5号”なんです。“2号”でなくてごめんなさいね。
8時ちょうどなんだから“あずさ2号”じゃなきゃダメに決まってるでしょうよ、JR!
けどJRにも都合があり、現在の“特急あずさ”は上り列車に偶数番号を、下り列車には奇数番号を付けてるので、信濃へ向かう下り列車を“2号”にはできないんですって。
ところがですよ、長野県内の一部では“(8時ちょうどの)あずさ2号”を復活させようとの動きがあり、3月23日には松本市で狩人を招いたコンサートが開催されますし、コンサート前には県民による「あずさ2号 のど自慢大会」もあるそうで、これは決起集会ですね。
県民は本気のようですぞ。さぁてどうする、JR。

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日々是白馬村 part 47

文体を以前のものに戻すことにしまして、降りました。そして積もりました。
昨シーズンの12月は雪が降らなくて嘆いていましたが、今シーズンは12月に入る前から降り始めてスキー場は麓まで真っ白に。
アパートの駐車場も白く染まったのでミステリーサークルを作ってやろうと試みたんですが、麦畑と違って雪は足跡が残ってしまうためミステリー遊歩道に変更して遊んでました。楽しかったです(写真 1)。

この写真はシーズン始めの気温が高い時期なので可能だったんですが、現在は新雪が積もってもその下はガリガリに凍った雪が這いつくばっているので残念ながらこんなことはできません。
12月も中旬になると雪はシンシンと静かに降り積るのではなく、パンダのシンシンとも関係なく毎日が吹雪でハチは散歩に出るたび雪まみれになっていました(写真 2)。

昨シーズンと今シーズンでスキー場の積雪状況を比べてみると、松本方面から来て白馬地区最初の白馬さのさかスキー場は昨年のお正月は積雪が10センチ。一番奥の白馬コルチナスキー場でも100センチでした。
これはスキー場のもっとも高い位置の圧雪してない状態での積雪なので、圧雪すればほんのわずかになってしまいます。それでは滑れない。
さのさかスキー場なんて麓に近いゲレンデは積雪0センチで茶色かったです。1月7日ごろまでは。
それが今シーズンのお正月はさのさかスキー場が240センチ。コルチナスキー場は340センチまで積もり、おめでとうございます。
こんな調子なので年末年始は麓の住民も毎日雪かきに追われ、ボクも朝昼晩3回の雪かきで汗だくになる日々でした。
白馬村は雪国ですが豪雪地帯ではありません。なのでちょっと降り過ぎなんじゃないのかいと呆れていたんですが、青森のニュースを見て反省。青森と比べたら白馬村なんて大したことございません。多少の苦労はあってもフツーに生活できてますから。

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日々是白馬村 part 46

12月20日(金)、久しぶりにアルプスが麗しき姿を披露してくれた。
10日(火)に晴れて以降は来る日も来る日も雪雲がアルプスの頂を覆い隠しており、白光に輝くその姿を拝せぬまま日々を送っていた。
なので今朝、カーテンの隙間から夜明け前の暗闇にうっすらと浮かび上がる白馬三山の美肌を目にした瞬間は呼吸が止まるほど驚いてしまった。
外気温は-12.1度。放射冷却によりこの冬一番の冷え込みだが、そんなことはどうでもよろしい。
さっさと準備を整えるとハチを抱きかかえて部屋を飛び出した。

新雪をラッセルしながらあぜ道に侵入して日の出を待つこと15分。しかしこの日もアルプスは赤く染まることなく夜は明けてしまった。どうして今年はモルゲンロートの鮮やかな夜明けが見られないのか。
地元の人はそんなことに関心がないので誰に聞いても判らない。同じアパートに白馬高校で特進クラスを受け持つ理系の先生がいるので次に会ったら質問してみる。

9時を過ぎたころ、まばゆい雪晴れに誘われて再びハチと散歩に出た。
外気温は-8度ぐらいだろうけど風はないしお陽さま照ってポッカポカ。雪の反射もあり陽を直接受けるとダウンジャケットが暑い。着てこなけりゃ良かった。
半袖で歩いているオーストラリア人がいて陽気に
「ハーイ、こんにちは」って。
「はい、こんにちは。良いお天気ですこと」

ダウンジャケットが必要なくても雪眼鏡は必需品で、色眼鏡とも言う。要はサングラスのことだが、これを掛けてないと本当に目が見えなくなるし、昨シーズンは2回なった。

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日々是白馬村 part 45

今回は文体を変えてみる。変えたい気分なのだ。

白馬村には食料品スーパーが3店舗あり、どこも商品が充実しているのでありがたい。
イオン系列のビックで狙うのは刺身コーナーに並ぶ、切り身で出た切れ端ばかりを詰め込んだパック。マグロにサーモン、ハマチ、ブリ等の寄せ集めだ。1日に1~2パックしか出ないこの切れ端パックが安い。
朝一番に行ってもまだ無い。昼過ぎに行くともう無い。11時ごろが狙い目だ。
最近値上がりした切れ端パックだが先日は超特盛りで358円だった。358。一部の人種が喜ぶ数字だがボクは数に優劣をつけない。
その日の特盛りパックはとてもじゃないけど一度に食べきれる量ではなく、2日分の酒のつまみにする。半分で179円。居酒屋へ行けばこうはいかないだろう。けどちょっと飽きてきた。
アパートから南へ2㎞のビック(写真 1)。

A・コープ(農協)の入り口には野菜の生産者直売コーナーがあり、ここが激安なのだ。
店内では小さなパックのインゲン豆が197円ぐらい。直売コーナーだと店内パックの3~4倍ぐらいがビニール袋に詰められていて130円。ナゼそれが許されるのか。食べきるのに苦労した。
プチトマトも店内だと小さなケースに少量入って350円ぐらいなのに、直売コーナーだとその2倍以上入った袋が200円。ウソではない。ちょうどその日は神戸から由紀姉たち三女神が遊びに来てたので一緒に行った。ウソだと民事に提訴されたら証言してもらう。

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