日々是白馬村 part 47

文体を以前のものに戻すことにしまして、降りました。そして積もりました。
昨シーズンの12月は雪が降らなくて嘆いていましたが、今シーズンは12月に入る前から降り始めてスキー場は麓まで真っ白に。
アパートの駐車場も白く染まったのでミステリーサークルを作ってやろうと試みたんですが、麦畑と違って雪は足跡が残ってしまうためミステリー遊歩道に変更して遊んでました。楽しかったです(写真 1)。

この写真はシーズン始めの気温が高い時期なので可能だったんですが、現在は新雪が積もってもその下はガリガリに凍った雪が這いつくばっているので残念ながらこんなことはできません。
12月も中旬になると雪はシンシンと静かに降り積るのではなく、パンダのシンシンとも関係なく毎日が吹雪でハチは散歩に出るたび雪まみれになっていました(写真 2)。

昨シーズンと今シーズンでスキー場の積雪状況を比べてみると、松本方面から来て白馬地区最初の白馬さのさかスキー場は昨年のお正月は積雪が10センチ。一番奥の白馬コルチナスキー場でも100センチでした。
これはスキー場のもっとも高い位置の圧雪してない状態での積雪なので、圧雪すればほんのわずかになってしまいます。それでは滑れない。
さのさかスキー場なんて麓に近いゲレンデは積雪0センチで茶色かったです。1月7日ごろまでは。
それが今シーズンのお正月はさのさかスキー場が240センチ。コルチナスキー場は340センチまで積もり、おめでとうございます。
こんな調子なので年末年始は麓の住民も毎日雪かきに追われ、ボクも朝昼晩3回の雪かきで汗だくになる日々でした。
白馬村は雪国ですが豪雪地帯ではありません。なのでちょっと降り過ぎなんじゃないのかいと呆れていたんですが、青森のニュースを見て反省。青森と比べたら白馬村なんて大したことございません。多少の苦労はあってもフツーに生活できてますから。

クリスマスの翌日からは雪が降りやまず、年末年始の9連休は一度も白馬連峰が姿を現すことなく終わってしまいました。スキー客は雪がたんまりあって嬉しかったでしょうけど観光客はお気の毒さまで、せっかく来てもらったんだから美しいアルプスの姿を見ていただきたかったです。

今シーズンはあまりにも雪が多いので去年から使っている雪かき用の大きなスコップでは追いつかず、ダンプと呼ばれる雪かきを近所の喫茶店で借りました。春まで使っていいとのことで助かってます。
そんなドカ雪の毎日でしたが10日ごろから天候が落ち着いてきて、12日はやっとこさ快晴になりました。晴れ渡ったのは午前中だけでしたけど。
晴れればハチも遠出する気満々で、信濃森上駅方面へ向かって新雪に埋まりながら突き進んで行く老犬のたくましいことったらありゃしません(写真 3)。

ハチはすでに要介護者になってしまったため、我が家は老老介護をしています。
それと、50-80問題。大谷選手の50-50ではありません。50(歳代の独身の子)-80(歳代の老いた親)家庭が社会問題化されてますが、我が家は60(歳代の親)-80(歳代に相当する犬)家庭です。
そんな社会的弱者とみなされるべき老老介護の当人たちが、新雪をかき分けながら5㎞も6㎞も行軍を強行しているので誰も憐れんではくれません。笑って見ています。それはとても幸せなことなのでしょうね。
途中で陸橋を渡ったら大糸線の線路も真っ白けっけのけ、でした(写真 4)。

この大糸線が積雪による倒木でしょっちゅう運休になっていて、特に白馬駅から4駅先の南小谷(みなみおたり)駅と新潟県の糸魚川駅間は雪予報が出るたび計画運休になるため廃線になる日は近い。
そもそも松本から穂高・大町・白馬を経由する南小谷までと、南小谷から糸魚川までは鉄道会社の管轄が違っているんです。松本-南小谷間はJR東日本が、南小谷-糸魚川間はJR西日本が運行を担っていて、元々の本数が極端に少ないだけでなく頻繁に運休するとくれば利用客があるはずもなく、廃線にせざるを得ない状況はますます深まるでしょう。
ちなみに南小谷-糸魚川の区間は全国の廃線になるであろう路線トップ5に入っています。
松本から糸魚川まで駅数が41駅なので、数霊話題としては廃線にならない方が面白いんですけど。

帰り道、疲れただろうハチを抱きかかえようとすると、ナゼか雪道は自分で歩きたがります。夏は“抱っこして”と目で訴えるくせに。
アパートまであと100メートル。松川橋から見た白馬三山は白く輝いてました(写真 5)。

一番左の荒々しい山は五竜岳です。
この季節は太陽の沈むのが五竜岳あたりなんですが、クリスマスの夕暮れに素敵な贈り物が五竜岳から届きました。
富山県側に沈んだ太陽がアルプス上空の雲を赤く染め、まるで五竜岳が自ら光を放っているかのような天然クリスマスツリーとなって(写真 6)。

たくさんの電柱のようなものは白馬高校のグラウンドに建っている玉除けネットを張るためのコンクリート柱です。
グラウンドの中へ入って行けば柱のない写真が撮れたでしょうけど、その手前には除雪車がかき集めた雪の山が立ちはだかって乗り越えられないし、大回りしているとクリスマスツリーが消えてしまうので仕方なくアパートのテラスから急いで撮ったらこんな写真になってしまいました。