[骨の妙味 09]

前回は「めまい」からヒジの話になりましたので、今回は膝です、ヒザ。
ヒザが痛いとの訴えは頻繁に聞かれまして、お医者さんへ行くと
「何ともありませんね。まぁ、あんまり動かないようにしてください」
か、または
「あぁ、これは手術したほうがいいでしょうね」
のどちらかなので、どうしていいのか判らずに困っています、って。
そりゃまた極端ですね。

たしかにヒザは案外むつかしいことがあります。
特に、ヒザの裏側が痛い場合は内臓の影響を受けていると考えられ、右足のヒザ裏なら肝臓や腎臓、左足の場合は胃や腎臓などの。

ですけど、そうなると文章で簡単に解決できる問題ではないので、痛みをヒザの前側に絞りまして、中でも多いのが前側の内側の痛みです。
裏側の痛みはわりと年配の女性に多いようですが、前側の内側はけっこう若い人でも痛みを抱えていますね。

実際に触らないと判断できませんが、今までの経験から、ヒザの前側の内側が痛い場合は足首をゆるめます。
若い人でも、バスケットボール、テニス、剣道を本格的にやっている学生に多いですね、その症状が。

足首がいろんな角度に動いてくれることでヒトは複雑な動きが可能になりますが、足首が硬くなると、本来は足首で吸収するねじれなどがそのままヒザに伝わり、それでヒザに痛みを感じたりもします。
そんな場合はもちろんヒザも硬くなっていますし、左右のヒザを同時に触れば、硬くなっている側はたいてい内側に広がっています。

そこで、ヒザをあれこれする前に足首をゆるめてみます。
といっても、ゆるめる方法はいろいろありますし、人によってゆるめる箇所や角度が違うため一概には言えませんが、まず足首。
そして足首とヒザをつなぐ骨(ヒ骨とケイ骨)に沿った筋肉を。

足首って、けっこう身体のあちこちに影響を与えているんですね。
特に左足首は不妊の原因にもなっているようですし。
女性の場合、トイレが洋式になったことで足首を伸ばす機会が減り、それが病気を生む一因になっているのではないでしょうか。
なので、主婦の皆さんはコンビニの駐車場でヤンキー座りしてアイスクリーム食べるとか、今の季節ならみんなでおでんもいいんじゃないでしょうか。

足首のゆるめ方は、ちょっと表現しにくいんですが、伸ばして握る。伸ばした状態でギュッとつかみ、強く握る。
福岡教室で1人の参加者さんがヒザの痛みを訴えていたので、他の参加者さんに握り方を教えたら、10分ぐらい握っただけなのに、ヒザの痛みが消えて正座ができるようになってました。
まだ5級クラスも卒業してないのに、治しちゃった。

ヒザの痛みは足首をゆるめる。
これ、けっこう楽しいから好きです。