[骨の妙味 37]

骨のフチ(縁)のお話です。「縁」はヘリとも読みますので、フチ・ヘリ、どちらでもいいです。
とはいっても背骨の話ではなく、かといって腕や足の長ーい骨でもなく、フチ・へりがある平ぺったい部分を持つ骨です。
ということは肩甲骨・仙骨・腸骨・胸骨・頭蓋骨などがそれになります。
これらの骨のフチが………おにぎりせんべいを食べるとき、フチを持ちますでしょ。
ポテトチップスでも同じで、親指と人差し指でフチを持ちますよね。そのフチの部分がけっこうポイントなんです。
肩甲骨は肩こりや背中の張り、仙骨は腰痛や腰の重み、腸骨は部分によって腎臓のハタラキなど、胸骨上端のフチはノド関係全般、頭蓋骨については眼球がはまっている穴、その穴を「眼窩(がんか)」といいますが、眼窩のフチは目の疲れ、ついでに頭蓋骨の頬骨(きょうこつ)部分のフチ。

頬骨も”きょうこつ”と読みますが胸骨と間違える可能性があるので”ほおぼね”とします。実際に”ほおぼね”も頬骨と書きますし。
ほおぼねに開いた穴はコメカミのすぐ下にあり、ここも目の疲れや偏頭痛に絶大なる効果があります。
最後のフチはアゴです。耳の下にある下アゴの端から反対の端までフチを掃除します。歯。特に下の歯の血行がよくなったり、ノドまわりの張りがゆるんだりして、ひょっとするとイライラが落ち着くかもしれません。
あっ、もうひとつありました。頭蓋骨の後頭骨部分の下フチが。
下フチの真ん中は整体教室で習う”頭部第5調律点(通称、頭の5番)”ですね。
頭の5番だけでなく、5番を中心に耳のうしろの左右乳様突起までのラインは不眠症、偏頭痛、目の疲れ、耳鳴り…………ここをゆるめるとメチャクチャ気持ちいいです。
いよいよはじまる豊橋、岐阜、福井、神戸の教室でもしっかり学んでいただきます。

さて、なにから始めましょうか。
やはり最初はおにぎりせんべいですかね。
巨大おにぎりせんべい肩甲骨のフチを掃除するには相手に座ってもらいます。
掃除する肩甲骨側の腕を横から背中側へ持っていき、肩を前から後ろ方向へ押すと、健全な肩甲骨の人は肩甲骨の背骨側が浮き上がります。
浮き上がった中へ指を差し込み、肩甲骨をゆっくりはがしてあげるとメチャクチャ気持ちよく、肋骨からさらに肩甲骨がはがれます。
すると背骨側のフチと脇の下側のフチがおにぎりせんべいを持つようにつまめまして、せんべいを親指と人差し指で押し潰すような感じに、いえ、肩甲骨を圧縮するようにフチを強く握るんです。
疲れてる肩甲骨だと痛みがありますけども、つまめる人は健康といってもよく、肩甲骨が健康骨の状態です。

肩甲骨が浮き上がらない人はつまめません。
つまむ前にやるべきことがたくさんあるので、まずそちらからおこないますが、ここでは省略します。

それで、おにぎりせんべいのようにつまんだ肩甲骨のフチですが、強くつまんだままゆっくーりとフチを移動していきます。
するとフチにたまった疲れが散らされて、肩まわりはもちろんのこと首筋までスッキリするかもしれません。

ただし、この技は指がけっこう疲れます。
疲れたままにしておくと胸椎1番2番の可動性が失われ、肩甲骨の1番(弥栄整体独自の呼称)や万里の長城(肩甲棘を弥栄整体ではそう呼ぶ)の表面がプヨプヨしてきます。
それはやがて背中の重みになり、背中の一部にツルような症状が出るかもしれないので、必ず自分の身体の手入れもしておいてください。

それでは次に仙骨のフチですが、長くなりすぎたのでNo.38へと続きます。