[骨の妙味 46]

今回は胸の前側、鎖骨・胸骨・大胸筋などについてです。
現代社会のもたらす緊張からか、あるいは座ったままの姿勢を長く続けるからか、胸が詰まった状態の人が近年はものすごく多く、ぜんそくや扁桃腺はもちろんのこと耳の不調や味覚(舌)の関係、さらには精神にもいろいろな問題が発生しています。どうしましょう。
胸が詰まっているので肋骨も固まってしまい、ですから深い呼吸ができません。
深い呼吸ができないので脳が酸素不足になるのか、ちゃんと物事を考えることができなくなった人にもたくさん触れましたが、まぁ鎖骨・胸骨・大胸筋の硬いことったらありゃしません。
それに、胸が詰まり肩が内側に縮こまっていると、運気を呼び込むことができず、ですから運命を開拓することもむつかしくなってします。人によっては騙されやすくなりますし。

胸の前側、鎖骨・胸骨・(鎖骨の下側の)大胸筋および(鎖骨の上側の)胸鎖乳突筋をゆるめるのはある程度の経験と技術が必要なので4級のメニューですが、せっかく背中側の肩甲骨まわりを5級でしっかりと学んだので胸側も知っておきたいですよね。

肩甲骨まわりは肉体的な疲れがたまりますが、鎖骨・胸骨まわりは肉体的な疲れなのか、あるいは精神的な問題が原因なのかを読み取る必要があります。
美容師さんや歯医者さんは肉体的な疲れが原因の場合が多く、胸から首にかけての張がピークに達すると耳が聞こえにくくなったり味が感じられなくなったりもしますが、ストレスで胸が詰まっても突然聴力が落ちたり味覚が狂ったりします。
美容師さんや歯医者さんの場合、まずは肩甲骨の2番・や1番、あとは3~5番も必要に応じてゆるめてから大胸筋に移りますが、ストレスからの場合は鎖骨の上下(大胸筋や胸鎖乳突筋)をゆるめる前に鎖骨自体の表面にたまったムニュムニュ・ヌメヌメを散らしてあげる必要があります。
それと大胸筋でも鎖骨の真裏の奥深く、これがけっこう奥深いため脇の中をさぐることもあるんですが、長年の緊張がそこに蓄積していて触るとけっこう痛みがあります。
脇からさぐる場合はうつ伏せでやったほうが判りやすいですけど、指で脇の奥を持ち上げて維持するため指が疲れます。なのでそのやり方は4級でしかやりませんが、他にも方法はあるので5級用の疲れない手技を考えてみます。
で、鎖骨まわりがゆるめば首の横側(胸鎖乳突筋など)がやわらかくなり、頸椎4番にも可動性が出るはずです。あぁ、聴力低下の直接的な原因は頸椎4番です。その頸椎4番に悪影響を与えている要因を取り除くために鎖骨まわりをゆるめるんですね。
自分で自分のそれをゆるめるのなら胸筋グリグリもいいですが、耳たぶを上下前後にじんわり引っ張ってみてください。痛い方向へゆっくーりじんわーりと引っ張るんです。耳の奥がスッキリすると思います。

大胸筋をゆるめるのはうつ伏せでの”綱引き”も有効ですが、鎖骨下側の奥は”綱引き”だと届かず、ですから仰向けでやりますが、指はなるべく使わないようにしてください。コブシでやります。演歌を唄うのではありません。
相手の鎖骨下側奥にコブシをめり込ませ、ヒジを伸ばしたまま体重をかけて角度を調整しますが、言葉では説明できないので教室でやりましょう。
もし相手が親しい人の場合はカカトを使うのが一番いいですけど、それも教室でお教えします。