数霊文庫[11]『数霊 諏訪古事記(すわこじき)』


諏訪に残る縄文の香り。
そこには現代人に必要な愛と智恵が
残されていた

    今日の話題社 四六判 本文341ページ 1600円+税


あらすじ

これまでの数霊シリーズで描かれた神々や古代史は、神社伝承を元にしたものであった。神社伝承は個の神や古き先人を知る上では具体的でありロマンあふれる物語として受け継がれているが、歴史的史実としてはそのままを真に受けるわけにはいかない。
健太は神々から
『建御名方の呪を解け』
『真なる歴史をひもといて 真古事記を世に現せ』
と指示され、それで諏訪大社前宮で“和睦の祭典”をおこない、争いの中にある神々は和睦した。

しかし諏訪の歴史はまだまだ埋もれたままだったようで、今回は古代史を考古学的にひもとくことで縄文時代から続く諏訪の歴史を明らかにするというもの。その古代史をひもとく鍵はオンバシラ祭りにあった。

諏訪では神社の四隅に建てられたオンバシラを6年ごとに建て替える。健太は何度も諏訪の地を訪れ、氏子たちと一緒にオンバシラを曳いていると、古代のヴィジョンが視界に映る景色と重なるようになってしまい、最初に観せられたのは縄文時代の諏訪だった。

竪穴住居の入り口に、小さな子供の遺体が入った甕が埋められている。それは縄文人にとって“再生”を願う親の想いであった。その想いとはいったい…………。
その後もオンバシラを曳く健太には諏訪のそれぞれの時代がヴィジョンとなって現れる。
諏訪における古代からの信仰で、もっとも衝撃的だったのは、諏訪湖に現れる“御神渡り”だった。
縄文人はこの御神渡りをどのように考えていたのか。現代人には想像もつかない展開に。

舞台は奈良県の宇陀へ。

『宇陀の歴史は逆さ吊り
その真たずねし耳あらば
語りて聞かせん、今ここで
……………………』

おどろおどろしくなってきた。健太と言納は覚悟を決めて宇陀へ向かうが、果たしてその結果は?

諏訪で縁になった岡谷市川岸地区の氏子大総代笠原治郎右衛門、長野県民日報の記者篠崎、篠崎の部下で隆波憲太、彼らの協力により、健太はついに諏訪信仰の原点に迫る。
また、今回は古事記および日本書紀における神代の時代についても触れられており、いかに史実が歪められているかも問う。そして諏訪大社だけでなく、各神社でもおこなわれるオンバシラ祭り10数社に参加することでひもとけた真実とは?
諏訪信仰は古代イスラエルとのつながりを取りざたされているがその真相にも迫り、今までとは違った視点から描いたスピリチュアル・リアリティー・ファンタジーの作品。
そうだ、忘れてた。健太と言納に男の子が生まれ、この子を授かるにあたって感動的な秘話が!


諏訪大社・オンバシラ祭り