スピリチュアルとサイエンスが融合し、
とうとう新時代の扉が開かれた
今日の話題社 四六判 本文430ページ 1600円+税
あらすじ
この作品のテーマはふたつあり、そのひとつが“神と人の意識と素粒子”の関係性を解明することであり、もうひとつは時空間を超越したトルコの神々とのふれ合いである。
古代トルコのタガーマ州ハランこそがタカマガハラ(高天原)であり、そのタカマガハラが遷都するというのだ。
『ハランの女神
埋もれた女神
声なき声にて光を求め
タガーマ・ハランのその地より
……………………』
さて、その遷都先とは?
“神と人の意識と素粒子”については舞台が飛弾神岡である。神岡にはスーパーカミオカンデやエックス・マス、カムランドなどの宇宙から飛来する素粒子を研究する観測施設が世界でもっとも充実しているので、文字通り神が降りる岡、神岡なのだ。
宇宙の法則はすべてを素粒子の“ふるまい(振動や回転)”が決めている。では果たして人の意識は素粒子の“ふるまい”に影響を与えることが可能なのだろうか。
もし可能であるならば奇蹟を起こすメカニズムが科学的に解明できたり、あるいは神を構成する素粒子の“ふるまい”を知ることで、人は神と同じ意識次元を体得することができる…………かもしれない。
その鍵となる素粒子こそがニュートリノだと考えた健太は、素粒子の関連施設へ出向いて物理学者から話を聞くのだが、そんなことおかまい無しにトルコから来た女神レディー・ググが実験施設で大暴れを繰り返し、これが痛快なのだ。
素粒子を面白く、かつ判りやすく解説してあるため、物理学と聞いただけで拒否したくなる人も、この作品を読めば素粒子に興味をいだくはず。
見事に神の世界と物理学(量子力学)を融合させたスピリチュアル・サイエンス・ファンタジーに仕上がっている。
また、言納はトルコのアララト山で多次元の存在を認識せざるを得ない貴重で不可思議な体験をする。そしてアララト山での神事にはその地に暮らすジプシーのデニズちゃんが参加することになるのだが、この少女が何とも可愛い。
トルコから帰ってからも言納には新しい課題が与えられ、店と課題を両立させていると、驚いたことにメドゥーサが自宅にやって来た。トルコでは醜い姿にて封じられていた女神である。
そのメドゥーサが言納に授けたものは、トルコがオスマン帝国だった時代から粛々と伝わる“栄光の剣”であった。何だかスゴいことになってきたが、いったいナゼ?
宇宙が数霊を基礎にして成り立っていることを実感する。
大アララト山・小アララト山とデニズちゃん