小柴教授は講演でこのような事をおっしゃっています。
「質量が大きな星(太陽の8倍以上)が超新星爆発を起こすと、原子番号92番のウランまでを 生み出します。そして大爆発によってそれらを宇宙空間にばらまいてくれるからこそ、地球は92種類の元素を持つことができ、人類も誕生することができまし た。人類誕生の元になるのが超新星爆発ですが、それが起きるのはニュートリノのおかげです。なので、“ニュートリノさん、ありがとう”ということを頭の隅 においといてください」
めっちゃスピリチュアルだ。
それに、小柴教授は福音書をいつも手元に置いておられたそうです。
科学者は哲学・宗教をけっこう学んでいて、むしろスピリチュアルな人の科学的知識の無さの方が問題です。
その無知さが何でもかんでも反対を唱えるわけですが、知らないことによる恐怖心がそうさせているのに気が付かなければ、いつまでたってもスピリチュアルはサイエンスの影になったまま。
ニュートリノの研究をして、何の役に立つんですか?と質問された小柴教授はこう答えました。
「さぁ、 判りません。しかし、かつて電子が発見されたとき、それが何かの役に立つのか判る者は誰一人いませんでした。しかし現在、我々の生活の中で電子(機器…… パソコンや携帯電話等々)はなくてはならないものになっています。ニュートリノも今は何の役に立つかはさっぱり判りませんが、何十年後かには電子と同じく らい必要なものになっているに違いありません」
さて、ついにハイパーカミオカンデ計画が動き出しそうです。
カミオカンデ→スーパーカミオカンデ→ハイパーカミオカンデへの進化。
タンク容量は3千トン→5万トン→100万トンへ。
チェレンコフ光をキャッチする光電子増倍管は1千本→1万1千本→30万本へ。
もし完成すれば、茨城県東海村のJーPARCからスーパーカミオカンデへ、毎秒1000兆個のニュートリノを撃ち込んでおこなっている100年分の実験が、わずか1年で済むらしいです。
太陽ニュートリノは、1センチ四方(サイコロ程度の大きさ)に、毎秒毎秒660億個も降り注いでいることになっています。ホンマかいな?
なので、人間のからだ全体では少なくとも毎秒100兆個ものニュートリノが通過していることになります。うーん、よく判らない。
ときどき、太陽に向かって大きく口を開け、ニュートリノを味わおう(舌で感じよう)としてるんですが、口から入ったニュートリノは瞬間的に後頭部から抜け、さらには地球も通過してどこかへ行ってしまうので、ニュートリノの存在はちっとも感じられません。
が、もしエネルギーとして使える術を人類が開発したならば、もうエネルギーで悩むこともなくなるでしょう。
太陽ニュートリノ、大気ニュートリノ、地球ニュートリノ、どれだけでも無尽蔵にありますから。
実は原子炉からも大量のニュートリノが放出されていて、核分裂によるエネルギーよりもニュートリノのエネルギーの方が多いとか?
日本では近々ILC(国際リニアコライダー)が九州(福岡と佐賀の県境)か東北(岩手)に建設されるかもしれません。
そうなると建設費用8000億円のうち、ホスト国が半分の4000億円を負担することになります。
が、実はこれも楽しみで、電子と陽電子を衝突させてヒッグス粒子をさらに詳しく調べるためのILCは直線型の加速器なので、装置の全長は31キロメートルにもなります。それを地下に建設するので地震がちょっと心配ではありますが。
ILCやハイパーカミオカンデの予算についてなども含め、来週中に神岡の東大宇宙線研究所へ行っていろいろと聞いてきます。
μニュートリノ418