ハイパーカミオカンデ計画

スーパーカミオカンデに続くカミオカンデ計画の第3弾、ハイパーカミオカンデのプロジェクトがいよいよ本格的に動き始め、プロジェクトリーダーである東京大学宇宙線研究所の塩澤眞人教授が講演をされると聞き、約5年ぶりに飛騨神岡(写真1)へ行ってまいりました。
講演会前にまずは宿へ寄ってみると、なんと茂利(しげり)旅館は2002年にノーベル物理学賞を授賞された小柴昌俊先生が頻繁に利用されていた宿で、しかも案内された部屋は小柴先生もお泊まりになっているとのこと。いきなりテンションがマックスに。(写真2・3)
それから道の駅「宙(スカイ)ドーム神岡」内のスーパーカミオカンデコーナーへ行ったところ改装中(写真4)でちょっとテンション下がっちゃいましたが、梶田先生(2015年にノーベル物理学賞を授賞)が迎えてくださいました。

スカイドーム神岡のスーパーカミオカンデコーナーは3月27日にカミオカラボとして生まれ変わるらしく、市長さんも来てくれっておっしゃってたので行きます。

カミオカラボはスーパーカミオカンデだけでなく、カムランド(東北大学のニュートリノ研究施設)やカグラ(重力波を検出するための観測装置)のコーナーも設けられるそうなので楽しみです。
改装中でもスーパーカミオカンデグッズは販売されていて、さらには講演会の会場でもグッズコーナーが。
見れば欲しくなるに決まってるでしょ。買っちゃいましたよ。クリアファイルを3種類とカレンダー、ルービックキューブに缶入りキャンディ。キャンディって、何でもありか東京大学。(写真5)

嬉しかったのはハイパーカミオカンデで陽子崩壊の観測が再開されるとのことで、もし陽子の崩壊が確認されれば宇宙が永遠ではないことの証明になります。物質が消えてゆくのですから。
そもそも小柴先生がカミオカンデで最初に始めたのは陽子崩壊の観測だったんですが、純水3000トンのカミオカンデでは待てど暮らせど陽子は崩壊せず、仕方ないのでニュートリノの観測を始めたらノーベル賞を授賞しちゃったんです。

物質を構成する原子の原子核は陽子と中性子で成り立っていまして、中性子は単独になると約15分で崩壊しちゃいます。
しかし陽子の寿命はカミオカンデの失敗から宇宙の年齢(138億年)以上であろうことが予測されますが、26万トンの純水で満たされるハイパーカミオカンデなら陽子崩壊が確認できるかもしれず、その確率から陽子の寿命が算出できるわけなんです。
それは物質の終わりが予測できるということで、極論としてはいつ宇宙がなくなるかも判るんですが、その前に太陽系は太陽の寿命が尽きるでしょうから、いずれにせよ地球は生命体が暮らせる環境ではなくなってしまうので心配は要りません。

東北大学がカムランドでおこなっているダブルベータ崩壊の観測で、もしダブルベータ崩壊が確認されればニュートリノはマヨラナ粒子であると判断され、そうなるとスーパーカミオカンデやハイパーカミオカンデでおこなう実験は宇宙の起源をさらに解明できることになります。
さらにはインフレーション理論を加速させるかもしれないんですが、ダブルベータ崩壊とかマヨラナ粒子とかインフレーション理論とかを説明するのが面倒なのと、説明したところで誰も喜んでくれないので止めます。
そろらは「遷都高天原」に詳しく書いたんですが、面白がってくれたのは5人ぐらいでした。あーあ。

地元の人に連れていってもらった居酒屋さんが大当りも大当りで、3月もまた行きます。

写真1

写真2

写真3

写真4

写真5