数霊文庫[6]『数霊 天地大神祭(あめつちだいしんさい)』

数霊 天地大神祭(あめつちだいしんさい)


三千年という永き時間を超え、
異国の神々と過去を糺すことで未来に光が

    今日の話題社 四六判 本文354ページ 1600円+税


あらすじ

『依りしろを
携え参れよ我が元へ
金銀の鈴 和合して
鳴り鳴り響く天に地に
日の民集えや138ここ
お日の祭りのはじまりぞ
獅子のおたけび聞こえぬか
138138と待ちわびて
よろこび迎えんこの時を』

いよいよ健太と言納のコンビは海を渡りエジプトへ。はたしてイスラム教国家で神道的な祭りができるものか疑問は尽きないが、とにかく依りしろと金銀の鈴を持ってカイロの空港へ降り立つった。今回は健太が頼りにしている長野県鬼無里村の生田と名川も一緒なので心強い。
神々からのメッセージによれば、かつてエジプトで生きた人たちの玉し霊の多くが今は日本人として生きているという。輪廻転生である。
“日の民”とは、太古の昔から太陽を信仰していた人々を指しているのだろうか? それに日本が“日之本”と呼ばれるのは無関係でないのかもしれない。

エジプトへ行くきっかけになったのは、学生生活最後の冬休みを札幌の実家で過ごしていた言納が、北海道神宮へ初詣でに向かったことに始まる。そもそも言納が名古屋の大学へ通うことになったのも、北海道神宮での参拝中に現れた「52」という数字がきっかけなので、言納の玉し霊はよほどここの神と縁があるようだ。
久しぶりに訪れた北海道神宮は初詣で客で混みあっていたが、帰り道にある女性が声を掛けてきた。温子だ。
温子は言納が羊蹄山の麓に住んでいたころの幼なじみで、言納に不思議な形のペンダントを手渡した。
言納が初めて目にするそれはアンク十字とよばれるエジプトの護符で、それからというものあらゆる事がエジプト行きへと結び付き、健太もまた同じ流れの中にあった。
ナイル川に沿って栄えたエジプト文明は健太や言納にとって、けっして過去のものではなかった。かつて生きた地に戻ったことで、肌が三千数百年前の皮膚感覚を想い出したのだ。
ナイル川に浮かぶイシス神殿で、あるいはアスワンのアブ・シンベル神殿で、またルクソールのカルナック神殿で、次々と巻き起こる不思議な体験は、自らの過去を糺し、それを未来に映してゆくための禊でもあった。
そして二人はとうとうハトシェプスト女王の神殿でハトホル神を目覚めさせ、そのとき天空には巨大な渦が……………………
エジプトの古き神々だけでなく、白山菊理媛や十一面観音なども登場し、いちだんとスケールアップしたスピリチュアル・ファンタジー。


エジプト・アブシンベル神殿