日々是白馬村 part 19

12月16日(土)の早朝、白馬村内で住宅に土砂が流入する災害が発生しました。12月に入ると最低気温はマイナス3度±2度ぐらいの日が続いていたのに、あの朝はプラス10度もあって気持ち悪い暖かさでした。

普段は1日に1~2通しか来ないメールが災害発生後は毎日15通ほど届いてます。
ボクの身を案じてくださるメール、心配しているフリのメール、たくさんありがとうございました。
無事もなにも健太からメールが来るまで災害のことなど知らなくて、消防や警察車両のサイレンさえ聞こえてきませんでしたし、取り残された住人をヘリコプターで救出していたなんてことは翌日の新聞で知りました。

災害が発生したのはボクのアパートと同じ住所の白馬村北城なので心配して電話をしてくださった人もいましたが、北城ってめちゃくちゃ広いんです。
白馬村は神城(かみしろ)と北城(ほくじょう)に分かれていますが、そもそも白馬村自体の面積は東京だと八王子市とほとんど同じなんです。
23区で比較した場合、千代田区と港区と中央区と新宿区と渋谷区と目黒区と品川区と中野区と豊島区と文京区と荒川区と台東区と墨田区を全部合わせても白馬村の方が広いんです。
以上13区にはおそらく三百数十万人が暮らしているでしょうが、白馬村は8400人。
なのにどうして………………

なのにどうして白馬村じゃあ賃貸物件が新築の場合、隣りの音が響くコーポでも1DKで10万円、2DKで15万円もするんだ。おかしいじゃねぇか。けど今はいいや、その話は。

閑話休題
東京の中心13区より広い白馬村のうち3分の2ぐらいが北城なので、サイレンが聞こえてこなくても不思議ではありません。渋谷区に住んでたら墨田区で何があろうがわかりゃしないように。

そんな広ーい北城の中で災害が起きたのはみそらの地区です。ここは八方尾根スキー場が近いからか白馬村で一番人気があるエリアなんです。
たしか3年か4年前は地価の上昇率が全国で4位、昨年は全国7位の爆上がり中。毎年20~30%も値上がりしているらしく、同じ長野県内ではブルジョアジーの植民地に次ぐ上昇率だとか。

みそらの地区はペンションや別荘が集まったエリアなんですが、ほぼ全域が森に囲まれているためアルプスの山容は見えません。オーストラリア人多発地帯のメインストリートからは少し見えますが、奥に入ると周囲の木々しか見えなくなってしまいます。
以前から白馬村で土地や借家を探してきましたが、山が見えないのでみそらの地区はまっ先に除外しました。
それにここは森に囲まれているため熊が頻繁に目撃されていますし、何といってもこのエリアは森の中の別荘地なので雰囲気がブルジョアジーの植民地にそっくりなんです。だから近づくこともほとんどありません。

今回土砂が流入したのはみそらの地区の中でも一番奥まった場所で、土石流警戒区域に指定されていることは知っていましたが、改めて村の防災マップで調べてみたら土石流だけでなく急傾斜地崩落警戒区域であり地滑り警戒区域にもなってました。
そのような場所で暮らす以上は災害も受け入れる覚悟が必要なんでしょうね。今回は人的被害が無かったので良かったです。