今回は文体を変えてみる。変えたい気分なのだ。
白馬村には食料品スーパーが3店舗あり、どこも商品が充実しているのでありがたい。
イオン系列のビックで狙うのは刺身コーナーに並ぶ、切り身で出た切れ端ばかりを詰め込んだパック。マグロにサーモン、ハマチ、ブリ等の寄せ集めだ。1日に1~2パックしか出ないこの切れ端パックが安い。
朝一番に行ってもまだ無い。昼過ぎに行くともう無い。11時ごろが狙い目だ。
最近値上がりした切れ端パックだが先日は超特盛りで358円だった。358。一部の人種が喜ぶ数字だがボクは数に優劣をつけない。
その日の特盛りパックはとてもじゃないけど一度に食べきれる量ではなく、2日分の酒のつまみにする。半分で179円。居酒屋へ行けばこうはいかないだろう。けどちょっと飽きてきた。
アパートから南へ2㎞のビック(写真 1)。
A・コープ(農協)の入り口には野菜の生産者直売コーナーがあり、ここが激安なのだ。
店内では小さなパックのインゲン豆が197円ぐらい。直売コーナーだと店内パックの3~4倍ぐらいがビニール袋に詰められていて130円。ナゼそれが許されるのか。食べきるのに苦労した。
プチトマトも店内だと小さなケースに少量入って350円ぐらいなのに、直売コーナーだとその2倍以上入った袋が200円。ウソではない。ちょうどその日は神戸から由紀姉たち三女神が遊びに来てたので一緒に行った。ウソだと民事に提訴されたら証言してもらう。
この日はラディッシュとネギを買った(写真 2)。
いつもと違って細長いラディッシュが7個で120円。長いのはそういった品種なのか育ちすぎたのかは判らないが、店内だと小さなのが5個で247円ほどなので激安だ。
いつも買うのラディッシュは丸くて大ぶりなのが8個入り150円で、どちらにしてもお安い。スライスしてサラダにする。
そしてネギ。この日は細めのものにした。5本入りで150円。店内では大きなサイズが1本127円している。
先週この直売コーナーで買ったネギは大きく太くて5本で200円。
一人暮らしだとネギを5本も消費するのにそれなりの努力が必要で、たまたまその日は半額になった和牛があったので半年ぶりぐらいに牛肉を買い、焼き肉のタレにその5倍ぐらいのキザミネギをぶち込んで食べたらニヤケるほど旨かった。
翌日、残りの牛肉でそれをやってもネギはまだ3本残っている。
次の日の昼、ラーメンにキザミネギを山盛りにした。こうなるとラーメンにネギをトッピングしたのか、ネギを食べるために麺を添えたのかがよく判らない。
まだネギは2本あり、冷蔵庫にミニパックの豆腐があったので、夜はネギと豆腐だけのすき焼きにした。
ネギと豆腐の煮込みをすき焼きと呼んでいいのだろうか。すき焼きと呼ぶのが不適切ならば、すき焼き風ネギ煮込み豆腐と共に、で問題なかろう。これでネギ5本が終了。
ネギ2本と豆腐とすき焼きのタレで原価は150円ほどか。それなら毎日すき焼きができる。すき焼きじゃない。すき焼き風ネギ煮込み豆腐と共にだった。
アパートから南へ800メートルのA・コープ(写真 3)。
デリシアではワサビを買う。ここしか売ってないワサビがあるのだ。ビックで買った刺身をデリシアのワサビで食べている。
ちなみにデリシアは、岐阜のバロー、和歌山のオークワ、滋賀の平和堂と同じで長野の地元チェーンストアーである。
豚バラを買うのはデリシアに限る。他の店の豚バラは分厚いからだ。生姜焼きじゃないんだからもっと薄くしていただきたい。焼きソバとか豚汁とか、その分厚さでは困る。
デリシアではまず割り引きコーナーへ行く。
その日は何を食べたいかではなく、その日は何に割り引きシールが貼ってあるかで食べるものが決まる。
先日、肉まんが割り引きになっていて、それが3個4個入った安物パックではなく、ちょっと大きなお高いやつだったので残っていたふたつを迷わずカゴに入れたのが早とちり。帰ってから気付いたのだがひとつは“あんまん”だった。
数霊シリーズの読者ならご存じだろうけど、ボクは“あんこ”が食べられない。
味が嫌いなのではなく、食べると歯が痒くなり喉の奥がモゲモゲしてくるのだ。
“あんこ”の密度が薄い井村屋のあずきバーぐらいなら大丈夫だが、大丈夫ついでに2本続けて食べたら翌朝まで喉のモゲモゲが消えなかった。
伊勢名物の赤福餅なんぞは箱に付いてくるヘラで“あんこ”を削ぎ落としてから餅だけを食べる。かすかに残る“あんこ”の量がちょうどいい。
今はなくなってしまったが、名古屋名物の納屋橋(なやばし)まんじゅうは、“あんこ”を包む皮に酒が染み込ませてあり実に旨かった。
今から20年ほど昔のことだが、食卓に納屋橋まんじゅうの箱があったのでひとつだけ皮のみを食べた。“あんこ”の塊は箱に戻しておいたら、それを見つけたカミさんが激怒していた。そんなカミさんも7年前に他界した。
さて、この“あんまん”をどうしよう。廃棄するわけにはいかない。
冷蔵庫には3種類の漬け物があった。白菜、大根、牛蒡。これらを“あんまん”と交互に食べれば何とかなるかもしれない。
幸いにもこの“あんまん”はこしあんだった。しかもゴマが練り込んである。ゴマあんではなく、“あんこ”にゴマ油を垂らしたような風味で、白菜・あんまん・大根・あんまん・牛蒡・あんまんを繰り返しつつ完食した。ちょっとモゲモゲする。
考えてみれば約半世紀ぶりの“あんまん”だった。そして生涯最後の“あんまん”になるかもしれない。さようなら。お元気で。
アパートから南へ100メートル、徒歩1分のデリシア。駐車場奥の建物は白馬高校の体育館(写真 4)。
スーパーの話題はこれにて終了。
道の駅から100メートルほど北でこんな自動販売機を見つけた。白馬村の特産品ではない。誤解のないように(写真 5)。
タランチュラ(2400円)、サソリ(1800円)、お得パック(2600円)はタガメとサソリとゲンコロウで、おひとついかがですかな。売り切れの場合はご容赦を。
コウロギに至っては客の要望なのか、のり塩味・スモーク風味・カレー味・ハニーシナモン味が取り揃えてあり、どれも1300円。
しかしだ、先人たちは必要に応じてイナゴは食べてきた。コウロギは食しておらず、それには訳があるはずで、先人たちの智恵をおろそかにしてはいけない。
終わりにしたスーパーの話題をぶり返すと、白馬村へ来てからは駐車場の空きを探さなくていいので助かる。
名古屋にいた頃はどこのスーパーへ行こうが開店時間からほぼ満車。やっと見つけた隅っこの方に苦労して停め、遥か先の店まで歩くことはもうない。
それに駐車場からの眺めが良いので買い物へ行く度にいちいち嬉しくなる。冬景色が待ち遠しい。