日々是白馬村 part 57

白馬村の大黒天さん。
ハチと散歩をしていたら何ヶ所かで大黒天さんが祀られていることに気づきました。どうして大黒天さんばかりなんだろうと気にし出したら見つかるわ見つかるわ、次から次へと発見しました。
海沿いの町とか港へ行くとたいていはヱビスさんが祀られています。特に佐賀県は日本一のヱビスさんだらけ県で、有明海との関係からだそうです。

今から約3000年前のこと。紀元前1000年頃にダビデ王がカナンの地(イスラエル。パレスチナといった方が正しいけど)に暮らす12部族をまとめあげて統一国家を樹立し、首都をエルサレムに定めました。
その際、統一国家に加わることを拒否した部族がいまして、エブス族といいます。
やがてダビデがこの世を去りソロモン王の時代になるとエブス族への締め付けがさらに強くなったので、航海技術に長けていたエブス族は故郷を捨て大海原を東へ東へと向かいました。
そんな史実をふまえ、数霊フィクションシリーズ「ヱビス開国」ではエブス族が対馬海流に乗ってたどり着いたのが対馬であり、和多都美(わたつみ)神社に祀られるイソラヱビスとはエブス族のことであるとの設定で物語を進めました。
エブス族は有明海にもたどり着いていたのなら、やはり佐賀県のヱビスさんも元はエブス族なのかもしれませんね。
七福神で日本生まれの神様はヱビスさんだけです。大黒天・毘沙門天・弁財天はインドから、寿老人・福禄寿・布袋は中国から輸入されてますので。けどヱビスさんも実はエルサレム出身だったりして。

エブス族についてを調べるため、一人でエルサレムを訪れたときのことです。
ダビデが統一した12部族の中でレビ族が祭祀を司るようになった理由について、現地を案内してくれた女性に尋ねると、彼女が思わぬ事を話してくれました。
「レビ族が祭祀を司っていたというのは表向きの話です。本当の祭祀はコヘン族なんですよ」と。
しかし12部族の中にコヘン族なんてのは含まれてません。そんな部族がいるのかを問うと、彼女はボクの目をギッと見据えて真剣な顔つきでこう話し始めました。

「私の祖父はコヘン族の血と祭祀を引き継いでいました」
(ということは彼女もコヘン族とやらの血筋じゃないのか?)
「コヘン族っていうのはですね……………その歴史は……………かつて12部族からそれぞれ優秀な若者を数人ずつ選び出し、その者たちがミックス・ミックス・ミックス・ミックスを繰り返すことで何代か先に12部族すべての血を持つ者たちを誕生させたんです。それがコヘン族なんですよ。コヘン族こそが祭祀を司る真なる部族です、13番目のね」

驚きました。12部族すべての血を引き継ぐ13番目の部族って…………初めて聞いた。それがコヘン族とな。
そのコヘン族をひた隠すためなのか、キリスト教を通して世界中で「13」という数を忌み嫌わせ、自分たちだけで「13」を独り占めにしている理由は。
ちなみにキリストはキリスト教徒ではありません。ユダヤ教徒です。ユダヤ教に反旗を翻したので結果としてキリスト教が誕生しました。
それと、イスラエルへ一人で行ってはいけません。ボクは入国するときも出国の際も逮捕されかけて恐ろしい思いをしました。あの国は少しでも怪しいと睨んだ相手にはいっさいの容赦も妥協もありませんから。

大黒天さんでしたね。海沿いがヱビスさんだから山の中は大黒天さんなんでしょうか。それとも大黒天さんは米俵に乗ってるので、村でも米がたくさん収穫できるよう豊穣を願ってなのか。
村役場に文化財保存課があるので聞いてみました。けど理由は誰も判らず、調べてから連絡するのでしばらく待ってほしいとのことでした。よろしくお願いします。

大出(おおいで)地区の大黒天さん。すぐ後ろには水路が通っていて、年間を通して水量が多いので大きな魚(鱒?)がたくさん泳いでます(写真 1)。

塩島地区は昔のお奉行さんが塩島姓だったからなのか、今でも塩島さんだらけです。
お堂の脇に鎮座される大黒天さんは桜の季節にも写しに来てました(写真 2・3)。

新田(しんでん)地区の大黒天さんは線路に沿った静かな林の中にいらっしゃいますが、熊と遭遇しそうなので早朝は近づかないようにしてます。背後の山は白馬鑓ヶ岳(写真 4)。

キリがないので大黒天さんはこれぐらいにして、最後はやっぱり「今週の村の花」で締めくくりにします。
大出の吊り橋近くを散歩してたら遠くにユリのような薄いピンク色の花が咲いていました。もしやササユリかと思って近づいてみたらナツスイセン(ナツズイセン)でした。
ササユリは長野県の準絶滅危惧種に指定されていて、木曽御嶽山の麓に広がる開田高原周辺では球根ごと大量に盗掘される事件が多発しているようです。貴重な花なんですね。
ナツスイセンも可憐でした(写真 5)。

今年もついに咲きました。蕎麦の花です。夏になると見渡す限りの蕎麦畑は見事に白く染まり、秋が深まる頃お店で出てくる新蕎麦になるまであと少し(写真 6)。

ただし連休はどこの蕎麦屋も店の前に大行列ができるので、来るなら平日がよろしいかと思います、白馬も戸隠も。
そしてボクは白馬村へ越す床して8月末で丸2年になります。
夏は暑かったけど、去年と同様に猛暑日は今年も経験せずに済みました。