11月初旬、晩秋の暖かな陽射しが燦々と降りそそぎ、村はまばゆい日々が続きました。
アルプスが鮮やかに見られる晴天も多くなり、こんなことは色とりどりの花々が咲き誇る春以来のことなので、普段は行かない散歩コースを久しぶりに歩いてみたら空も山も大地もキッラキラに輝いてました(写真 1・2)。
11月中旬、朝の最低気温が氷点下になることもあり、夜明けとともに霧が発生したりするもんだからそうなると何も見えない。
まだ暗いうちは白いアルプスが闇の中でもはっきりと浮かび上がっているので、赤く染まるモレゲンロートを見たくてハチと散歩に出てはみるものの、日の出の時間になるとアルプスは霧の中。
散歩しながら待つこと30分。霧が晴れ始めると幽玄な姿がかすかに浮かんで見えたりもしますが、写真はあきらめました。ガラケーなのでほとんど写りません。1枚だけ撮ったけど。
駅前まで来て何気なく振り返ったら霧はいつの間にか消え去り見事な白き白馬三山が姿を見せてくれてました。駅のロータリーに植えられたヤマボウシも鮮やかに紅葉していて、バス待ちの観光客は一人残らず全員がスマホを向けてました。そりゃそうでしょうね。ここに住んでても撮りたくなるもん。何度見ても飽きないし。
霧の中にぼんやり浮かぶ白馬三山と、駅前から見る霧の晴れた白馬連峰(写真 3・4)。
都会で暮らしていると、電車が遅れた理由が熊と衝突したからなんてことはありませんでしょ。田舎にいるとあるんです。
熊だけじゃなく、名古屋から松本・長野へ向かう特急しなのはよく鹿と衝突してますし。
衝突ではないんですが新聞に出るJR関連のニュースで最近とても考えさせられることがありまして、これらの記事をどう思いますか?
「9月29日、JR大糸線は雨のため南小谷(みなみおたり)~糸魚川(いといがわ)間で普通列車3本が運休し、約20人に影響した」
「9月30日、雨により大糸線全線(松本~糸魚川)で終日運行を取り止めた。普通列車19本を運休し、約130人に影響した」
「11月13日、大糸線で回送列車の車輪が空転したため上り列車1本が白馬~南小谷間で区間運休、約10人に影響した」
「11月18日、雨のため南小谷~糸魚川間で普通列車6本が運休し、約60人に影響した」
運休しても1本あたり6~10人にしか影響してないんですって。あっ、いま笑ったでしょ、東京の人。
しかもJR東日本が管轄の松本~穂高~大町~白馬~南小谷までは時間帯によってそれなりの乗客がいますけど、JR西日本が受け持つ南小谷~糸魚川間の乗客はさらに少なく、その区間だけで年間4億円の赤字を抱えています。
南小谷~糸魚川間を利用する乗客って、通勤・通学を合わせて数十人でしょ、多分。
それで年間4億円の赤字が出るので廃線にするかどうかを問題にしているのなら、いっそのこと各乗客にガソリン代として毎月3万円ずつ配るから、あとは自分たちで何とかしてくださいってのはダメなんだろうか。学生さんは卒業するまで。社会人は今後5年間は保証しますってことにして。
仮に定期券を購入している利用客が100人いたとしても1人に3万円なので月に300万円。年間でも3600万円で済みます。月々5万円にしたとしても年間6000万円だし最大5年間で納得してもらえば、毎年4億円の赤字を出すより廃線にしたほうがよっぽど助かるじゃん。100人に対して赤字4億円って、客1人に年間400万円の負担がかかってることになるんだから。
ガソリン代を配って済むのなら列車を動かさなくてもいいんだから、現場の職員は他の路線で働いてもらうことができるわけで、その職員が生む利益を相殺すれば赤字はさらに減りますしね。
けど沿線に暮らす住民は存続を願っていろいろアピールされているので、JR西日本としては苦しいところでしょうね。
ローカル線ファンのボクとしても廃線にはしてほしくないけど、運賃の売り上げにはいっさい協力してないので要望を述べる資格はない。
糸魚川方面へ行くことになったとしても間違いなく車で行くだろうし、もし利用することがあるとしたら、孫が大きくなって遊びに来てくれたら一度ぐらいは電車に乗って糸魚川の海岸へ翡翠を探しに行ってみてもいいけど、それぐらいしか思い浮かばない。
11月下旬、晩秋から初冬へと移り変わり、散歩で指先が凍えるようになってきました。それに熊さんも出没しなくなりました。
21日の最低気温はマイナス4.6度。いよいよ始まる白く輝く世界にワクワクなんですが、南小谷~糸魚川間は雪でしょっちゅう運休するんでしょうね。昨シーズンなんで運行してる日のほうが少なかったもん。
氷点下であろうが山さえ姿を見せてくれていれば美しきアルプスの目覚めを待ち構えるため夜明け前から散歩に出ます、ハチと一緒に明日も明後日も。
夜明けのモルゲンロートに色付く白馬三山と、アパートの駐車場横から見た初冬の白馬連峰(写真 5・6)。






