「STAP細胞 前編」【2/14 7:56 訂正】

最近もっとも頻繁に受ける質問といえば、
“イスラム国(ISIS)について教えてください”
“STAP細胞って本当にあるんですか?”
この二つでしょうか。
スピリチュアルよりも国際情勢の方が好きだと公言しているため、イスラム国については判る範囲でお答えしてきました。
ですがSTAP細胞は細胞です。当たり前の話ですけど。
細胞なので素粒子と比較するとバカデカく、それはまるでアリの観察をしている人にゴジラの生態系を聞くみたいでさっぱり判りません。
それでもSTAP細胞の有無についてはものすごく興味があるため、出来る限り調べてみたところ結果が出ました。

名古屋大学の免疫学研究所に従姉妹がいます。
彼女はとても優秀な研究者ですし、理化学研究所にも知人がいるようで、STAP細胞の有無について専門家たちはどう考えているのかを、いろんな角度から聞いていました。

その前にまずはこれを。
STAP細胞のニュースが発表された2014年1月29日(マスコミには1月28日に小保方さんや笹井教授らが会見で公表)から約2週間後、STAP論文の疑義が指摘され始めました。
そして世の中に陰謀論があふれ出したわけです。
“理研や小保方さんはCIAに潰された”
“アメリカ政府がSTAP細胞で得られる利益を独占しようとしている”
“製薬会社がSTAP細胞の存在を消そうとしている”

実はボクもその可能性を感じていました。
ですが、陰謀説を聞いたら同じ(ぐらいの)数だけ専門家にも意見を聞き、陰謀論の本を読んだら同じ(ぐらいの)数だけ一般論の本を読むようにしています。
それは原発についてもそうで、反対派と賛成派の本を同じ(ぐらいの)数だけ読むことで、双方の意見や想いが理解できます。
すると、原発についてはどちらの派にも共通した手法が見えてくるんですが、STAP細胞とは関係ないので話を戻します。

「STAP細胞はあります派」から流れる噂はチマタに溢れていますが、それらは本当なんでしょうか?
「小保方さんの実験は熊本大学で作っている溶液じゃないとSTAP化しない」
とかいった、まことしやかに語られる数々の噂は。

そこで調べ始めてみたところ、科学雑誌の「日経サイエンス」や「ニュートン」が夏ごろから小保方さんの論文を検証する特集を組んでいまして、片っ端から読みました。

ヒドイですね。
ヒド過ぎます。
ビックリしました。
よくもまぁあんないい加減な論文が大々的に発表され、しかもそれを権威ある「ネイチャー」誌が掲載したもんだってこと。
そうなった経緯も従姉妹が詳しく話してくれましたが、ネットの噂に惑わされっぱなしになってるのではなく、ちゃんと読んでみるといいです、まともな見解を。

ただし、
「元のSTAP細胞と同じ遺伝情報を持っているSTAP幹細胞に、TCR再構成がないということは、STAP細胞がT細胞、すなわち分化しきった細胞由来であるという根拠もゆらぐ」
とか、
「STAP幹細胞はSTAP細胞からもう一段階の過程を経て作製されたES細胞様の増殖性多能性幹細胞ですが、このSTAP細胞からSTAP幹細胞になる過程で、TCR再構成を持った細胞は何か不利な点があり、淘汰されると考えています」
みたいな内容を理解するには時間と慣れが必要ですけども。
ですが、それらの専門的見解を避け、ニュースの裏側を読む的なつもりでチマタの噂を真に受けているうちは真相を知ることはできないでしょう。

で、いくつかの検証特集を読んでみて判ったことなんですが、この段階でほぼ無理だと判断しました。
99%アウト。
しかし、完全にあきらめたわけではありません。
かすかにですが希望を持っていました、この時にはまだ。

続く。

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