日々是白馬村 part 31

4月15日、引っ越しが完了しました。こちらに来て7ヵ月半でまた引っ越し。ちょっと疲れました。
それに15日の最高気温は25.4度で夏日じゃんか。やめてくださいってば、本当に。
けど17日からは最高気温も17度前後に戻り、風があると肌寒さを感じるんですが暑いよりずっといい。
そして白馬村でも桜が咲き始めました。
さいた、さいた、さくらがさいた。
何より嬉しいのはソメイヨシノ以外の桜があちこちに咲いていて、ソメイヨシノが目立たないということ。
あるにはあるんですよ、ソメイヨシノ通りみたいなのも。けど単調で面白くないので色のある桜を目指してハチと散歩してます。日本人はいつから桜=ソメイヨシノになってしまったのでしょう。
で、残雪のアルプスを背景に色の鮮やかな桜の写真を撮りたいのですが、黄砂の影響なのかアルプスは春がすみの中。こんなボケたアルプスになってしまいます。(写真 1)

なので他の話題をお届けすることにします。
ハチとの新しい散歩道は東西南北どちらへ行っても新鮮で毎日いくつも発見があって楽しいんですが、これにはちょっと驚いてしまいました。
アパートの前に白馬高校のグラウンドがあることは前回お話ししましたが、白馬高校の南隣りには白馬北小学校があります。
高校と小学校の間の道も桜並木があり、やっぱり学校といえばソメイヨシノになってしまうんですね。けどハチがそちらへ行きたがるので歩いていたら、小学校の体育館横に何か見慣れぬものがありました。んっ、何だあれは?
写真中央、体育館と少数派ソメイヨシノにはさまれたの茶色い建造物がそれです。(写真 2)

正面からだと大きな滑り台のようにも見えますが多分違う。火の見やぐらでもないだろうし、いったい何だろうあれは?
と思いつつ真横へ行ってみたらナント白馬北小学校専用、スキーのジャンプ台でした。スッゲー。(写真 3)

小学校にジャンプ台があるなんて聞いたことありません。
ここで小学生のころから練習してこそ、やがては大ジャンプ台で飛べるようになるんですね。
そして目指すはやはりオリンピックでしょうか。白馬村からオリンピアンがたくさん誕生するのは、こういった背景があってこそなんですね。

白馬の大ジャンプ台へはリフトと階段を使ってスタート地点へ行くことができ、ラージヒルのスタート地点に立つとこんな景色が見られます。これは3月15日の写真なのでまだ村は銀世界でした。(写真 4)

リフト代は往復で460円。村民割引はありませんでした。残念。

さてさて、今度のアパートは今までよりもかなり広いので、やっとまともな書斎を持てました。これで仕事ができます。
と思ってはみたものの、アルプス側が全面窓で正面にデカデカとアルプスが見えるため、ハチの早朝散歩から帰るとコーヒーを飲みながらアルプスを眺め、10時ごろ2回目の散歩を終えるとピザを食べながらアルプスを眺め、午後になると3回目の散歩をせがまれるのでアルプスを眺めながら散歩して、帰ったら帰ったでローリング・ストーンズを聴きながらアルプスを眺め、夕方になり西に傾いてきた太陽が山の向こうへ沈むとアルプスの稜線が美しく浮かび上がるので純米酒を飲みながらアルプスを眺め、結局仕事なんてできやしない。
どうしましょう。

とはいえアパートのすぐ前には倉庫や他のアパートがあり、理想の眺めにはほど遠いのが現状です。理想を「100」とすれば、今の眺めはせいぜい「52」といったところでしょうか。
げど今までのアパートは窓からほとんどアルプスが見えなかったので「100」に対して「3」ぐらい。それに比べてここは「50」を超えているからひとまず及第点とすることにします。
なにしろ今まではそれほど大きくもない窓でしかも南向き。
右方向に目をやると30度に爺ヶ岳が、60度に五竜岳が見えることは見えます。
窓に顔を押し付ければ80度に唐松岳がかろうじて見えるんですが、それらは冬だからなんです。
というのも窓の先には林があって、冬は木々の葉っぱが落ちているので枝の隙間から向こうを見ることができ、だからなんとかアルプスが眺められたんです。しかも冬場は山が白く輝いているので。
けど春を迎えて木々に葉が芽生え始めると向こうが透けて見えなくなるでしょうし、山も雪が溶けると木々と同じような色になってしまい、やがてアルプスは消えます。
昨年の夏、引っ越して来たばかりのころは木々に葉が生い茂っていたので、自分の部屋の窓からアルプスが見られることを知りませんでした。気が付いたのは秋が深まり木々の葉が落ち、山が白くなってからのことです。
なのでアルプスが見られるのは冬場に限られていて、しかもけっこう斜め方向だし白馬三山がまったく見られないので「3」なんです。
というわけで「52」でも日々刻々と表情を変えるアルプスの姿をまだしばらくは飽きずに眺めていることになりそうで、仕事はその存在を忘れることにします。
あっ、そうか。雨の日なら仕事ができるかもしれない。
どうか明日も晴れますように。