日々是白馬村 part 61

12月19日、快晴。風なし雲なし雪もなし。
昨年は12月に入るとすぐにドカ雪続きで早朝から雪かきに追われる日々でしたが、今年はまだ1度しか雪かきをしてません。なにしろ12月というのに雨が降ってくるんです。
雨だとハチの散歩で傘をささないといけないからその点では雪のほうがずっと楽で、雪だとジャケットのフードを被るだけでいいから傘は必要ないんです。
週間天気予報でも雪マークどころか雨マークがいくつも出ているので雪景色はしばらく撮れそうにありません。なので12月6日に見られた満月の夜明けをご覧いただくことにします。

その日の朝6時ごろ、夜明け前なのでまだ暗いはずの外が何だかやけに明るかったのでカーテンを開けたら秀樹感激。満月が放つ光が雪に反射して昼間のような明るさでした。ハチを抱えて駐車場へ出てみると信じられないほど明るく、月明かりだけでこれほどの明るさになるとは。さすがマイナス11等星(満月時)ですね。
夜明け前の6時28分(写真 1)。

同じアパートの住人さんも出てきたので一緒に夜明けを待っていると先ほどより少しだけ辺りが暗くなり、同時にアルプス上空が薄紫色に染まりました。
6時37分(写真 2)。

そしていよいよ日の出を迎えるころになると空はいつもの色合いに戻り、まばゆい日光がアルプスを淡いオレンジ色に輝かせてくれて、この瞬間を待っていました。放射冷却により外気温は-11.3度。この冬一番の冷え込みでした。
それにしても太陽って瞬時に闇を消し去り、希望の光で地上をあまねく照らしてくれる。地球人にとって偉大な存在ですね。アマテラスとはよく言ったものです。マイナス27等星のパワーはスゴい。
6時46分のモルゲンロート(写真 3)。

昨シーズンのドカ雪で雪かきスコップを壊してしまってたし、スノーダンプは近所の喫茶店で借りたものを使い続けていたので、今シーズンはどちらも新しく買いました(写真 4)。

できればグリーン系か紫系で揃えたかったんですが、探しても見つからなくてこの色にしました。
せっかく買い揃えたので早く使いたい気持ちもあるんですが、そんなことを望んでいると昨シーズンのような大変なことになるといけないので必要になるまで待ってます。

話は変わって、全国には勝手踏み切りなるものが1万5千ヶ所ぐらいあると新聞で読みました。
勝手踏み切りとは、踏み切りまでの遠回りが面倒なので踏み切りではないけど住民が勝手に線路を渡ってしまうmy踏み切りのことで、白馬村にもいくつかあります。
田舎に住んでると線路の向こう側のご近所さん宅へ行くのに、右から行こうが左から行こうが踏み切りは遥か遠く、my踏み切りを渡ればたったの30秒。もし実際の踏み切りを渡ってだと10分もかかってしまうし、列車なんて昼間は2時間に1本しか通過しないんだから渡っちゃえ渡っちゃえmy踏み切り、とまぁそんな感じなんでしょうね。

今、誰かのmy踏み切りが目の前にあります。足跡も残ってます。
けど、いくら便利でも踏み切り以外の線路を渡ってはいけないんですよ。
いけないんですけど、昔から“何事も経験”と申します。
それに経験してこそ見えてくるものが必ずあるはずです。死んだ爺ちゃんも、経験せずして語るなと遺言を残しているので、どなたかのmy踏み切りを2回だけ利用させていただきました。便利ですね。
けど、最近は村会議員さんにも仲良くしてもらってますし、もう渡りません(写真 5)。

いつものようにハチの散歩で白馬駅へ行ったらオーストラリア人のお姉ちゃんが
「オー、ハチ。ヒサシブリネ」と日本語で声をかけてくれました。
このお姉ちゃん、昨シーズンも駅前でアルバイトをしていて、いつもハチを可愛がってくれてたんですが今シーズンも来たんですね。
朝はバイトして、昼間はスキー場へ滑りに行ってるのでしょうか。こういった再会は嬉しい。そんなハチは12月20日で16.5歳です。
わずかに残る雪へ突入するハチ(写真 6)。