8月25日、久しぶりに茨城県東海村のJーPARC(大強度陽子加速器施設)へ行ってまいりました。今回で3回目なので少しは近くなっているのではと期待してましたが、今までと同じだけ遠かったです。
JーPARCでは陽子のカタマリを加速するメインリングのパワーアップ計画があるので、是非ともヘヴィメタ物理学者の多田将さん(通称:将サマ)に話を伺いたいと思っていたところ、バッチリお会いできまして、多田さんのヘヴィメタ度もパワーアップされてました。
で、メインリングのパワーアップなんですが、まずこの加速器は陽子のカタマリをほぼ光速まで加速してから標的にぶつけて陽子を破壊します。
破壊するとπ(パイ)中間子が出現するんですが、π中間子の寿命はわずかに2、6×10のマイナス8乗(1億分の2、6)秒しかないためすぐに消えてしまい、その後にニュートリノ(正確にはμニュートリノ)が出現して約300㎞先にある岐阜県飛騨市神岡のスーパーカミオカンデに向かうんです。
陽子のカタマリというのは、それひとつが10の13乗(10兆)個の陽子の集合体で、それを8連結させて1グループとします。つまり1グループで陽子の数は約10の14乗(100兆)個近くになるわけですね。
そいつを加速器では2、48秒おきに発射させているんですが、メインリングのパワーアップ後は1、3秒に1回の発射を目標としているそうです。
そうなるとニュートリノがスーパーカミオカンデ内で水分子に反応して現れるチェレンコフ光も2倍ほどになると思われるますが、ナニを言ってんのか判んないでしょ。
あーぁ、今回も楽しかった。
ハイパーカミオカンデ計画も正式に認可されたのでますます面白くなりそうです。