数霊文庫[4]『数霊 日之本開闢(ひのもとかいびゃく)』

数霊 日之本開闢(ひのもとかいびゃく)


運命の二人は出逢い、
ついに神々と共に歩む異次元への旅が
始まった

数霊 日之本開闢(ひのもとかいびゃく)

    今日の話題社 四六判 本文308ページ 1600円+税


あらすじ

札幌の高校へ通っていた安岡言納が北海道神宮で不思議な体験をしたのは、進学に悩む3年生の秋のことだった。
その不思議体験によって名古屋の大学へ進むことになった言納は、母の実家がある愛知県犬山市で祖母との二人暮らしを始める。
ある日、熱田神宮の森を散策していた言納は、友人の結婚式のために福岡から訪れていた琴可と出逢う。
意気投合した二人は数ヶ月後に京都へ旅行に出かけるが、急きょ琴可が福岡へ帰ることになり、言納は一人で鞍馬山へ向かったがアクシデントに見舞われてしまう。
しかし、雪の中で困っていた言納を助けてくれる青年が現れ、その青年こそが地元で何度か見かけていた健太だったのだ。二人はこうして運命的な出会いをはたす。
その後、二人は出雲や白山の神々から教えを受けつつ、閉ざされた古き神々を復活させるべく各地を巡ることに。

古代と現代が交互に描かれているこの作品は、本来のアマテラスとは誰のことかもテーマのひとつであり、スサノヲ尊の第5子とされているオオトシ(ニギハヤヒ)尊がアマテラスなのか?
若きオオトシたちが九州から大和へ向かう様子は具体的であり、なおかつ感動的である。
仲間とともに九州の宇佐を旅立ち、生まれ故郷である出雲に立ち寄ったオオトシ。しかしそこに母の姿はなかった。
だが、いつまでも悲しんでいる訳にはいかずオオトシは旅を続けることに。出雲時代の親友も加わり日本海側を東へ進むと、行き着いたのが丹後半島であった。
その地でオオトシらは人々に稲作を広め、やがて丹後は豊かな国へと発展するのだが、思いもよらなかった悲劇にみまわれてしまう。オオトシがもっとも大切に想っていた言依の身に…………………
今から約1800年も前に生きたその言依と現代に生きる言納とは、時空を超えて見事に結ばれていた。21世紀の今日、言納は丹後の国のある神社で言依と出逢い、実は二人は信じられない関係にあった。時空を超えた異次元は実在していたのだ。

他にも古代編ではオオトシと目一筒が一人の女性をめぐっての駆け引きがあったり、あるいはヤマトタケルが命を狙われ絶体絶命のピンチに陥るなど興味が尽きない展開が続き、数霊についての解釈もちりばめられている新感覚のスピリチュアル・ファンタジー。待望の数霊シリーズ第1弾。
主人公の言納と健太は、行く先々の神社で神から教えや祝福の言葉を受け取るが、どれも至宝のメッセージだ。例えばこのように。

『厳かな 日之本開闢間近に控え
いやいよ立ちし 天之御柱
神が支え 神を支えの 神と人
支えに気付いてくだされよ
支えになってもくだされよ
火足りと水極りで神(火水)と人
交互に支えておるのだぞ
思いがひとつに合わさりて
天地で祝うぞ 日之本開闢
銀河の弥栄 日之本開闢』