数霊文庫[9]『数霊 時空間日和(じくうかんびより)』


時間と空間、その本質とは何か。
そして次元を超越した先にあるものとは。

    今日の話題社 四六判 本文369ページ 1600円+税


あらすじ

言納の母の実家は犬山城の城下町にあり、言納はいよいよその古民家で“むすび家 もみじ”をオープンさせた。
そのころ健太は岐阜県下呂市の山奥にたたずむ金山巨石群へ何度も通っていた。この巨石群は研究者によると今から2500年ほど前の天文台だという。
2500年前といえば縄文時代の晩期から弥生時代前期にかけてなので、もし本当にその時代の天文台だとすればスゴい。なにしろ閏年まで判別できてしまうのだから。
健太はこの巨石郡でシャルマから教えを受けていた。シャルマは北極星の“銀河磁場領域研究所”で星間次元の時空間調整を専門にしているが、訳があってこの巨石群の北極星観測ポイントで、健太に授業をしていたのだ。
その教えは
『時間は流れていない。時計が動いているだけだ』
といったものから、宇宙物理学まで多岐にわたっていた。

アメリカではCIA(中央情報局)とNSA(国家安全保障局)が連携してある作戦を決行していた。それが日本分割構想であり、日本人の信仰心を破壊する“オペレーション・ヤタガラス”であった。標的となったの東京都内の神社仏閣だったが、次は長野県の戸隠神社が選ばれた。

ときを同じくして健太と言納は戸隠で大きな会場を借り、盛大な祭りを計画していた。
題して「天地大神祭in戸隠“古き神々への祝福”」
その名のとおり封じられた古き神々を復活させるための祭りであったが、それを支える神々と復活を阻止しようとたくらむエネルギー体が壮絶な闘いを繰り広げ、健太たちまで攻撃されて一時は命の危険さえ感じたのだが、やがて健太たちを援護した神々の勝利となり、古き神々より感動的なメッセージが届く。

『打ち寄せる
波の如くに人々は
集いて来たり、日の国へ
我れこそは
我れらこそはと日の国の
真なる覇者ぞと争いて
いくさはやまず、これまでの
長き歴史は戦乱の
上に成り立つ、悲しやのう
“和を以て
尊しとなす”、これこそは
尊き誓いぞ忘るるな
誰ひとり虐げられず
誰ひとり泣く者はなく
誰ひとり下に置かれぬ
すべての人々、和のもとに
共存共栄それこそが
“光の帝国”日の国の
真なる教えぞ、知りたるか…………………』

しかし、これで平和が戻ったと思いきや、すぐに諦めるような連中ではない。CIAとNSAはアメリカの海軍まで巻き込んで次なる作戦を計画してきたのだ。その名は“オペレーション・ファントムクロス”。内容を知れば恐ろしさのあまり戦慄を覚える。悪魔の仕業以外のなにものでもない。だがしかし、作戦が開始されると同時に巨大な地震と津波が東日本を襲い……………………
この国の運命やいかに。