5月に入ると村は田植えに向けての代掻きが始まり、トラクターのエンジン音が方々から響いてきます。
名古屋にいたころは手伝うのがイヤでイヤで仕方なかった百姓ですが、こちらに来てからはカッコ良く見えてしまう。かと言って軽トラが欲しいのは百姓がやりたい訳ではないんですけど。
それで風がない朝、水が張られた田んぼは鏡のように残雪の北アルプスを映してくれるので、ゴールデンウイークが終わってからしばらくは逆さアルプスを求めて田んぼのあぜ道をさまようのが年中行事になってます。
太陽が昇るにつれ風が出てくるので、勝負は夜明けから9時ごろまででしょうか。吹かない日もありますけど。朝から吹いてる日もある。判らん、その日にならんと。
写真2枚目は白馬駅裏の田んぼで、毎年5月10日前後の完全快晴日に定点撮影しているお気に入りの逆さアルプスです。
それらはこのコーナーのpart 54に2024年と2025年の写真を並べて出しました。2025年はドカ雪のため残雪量が豊富でしたが、今年は2月以降の降雪が極端に少なかったので2年前の写真と区別がつかず、なのでモルゲンロートを狙って朝4時45分から待ち構えてました。この時期のモルゲンロートは薄い色にしか染まりませんけど。
5月10日、放射冷却により最低気温は0.9度。5月だというのに車のフロントガラスが凍ってたのにはまいった。
で、夜明けを迎えたんですがその時間帯はいつも空の色が白くボケてしまい、感動するような写真は撮れず。残念。
残雪の白馬三山を背にトラクターでの代掻き風景と、夜明けのモルゲンロートで微かなオレンジに染まる北アルプス白馬連峰(写真 1・2)。
一旦はアパートへと戻り、夜が明けきってから他の地区の田んぼへ偵察に出動。
瑞穂地区の田んぼはほぼ全面的に水が張られていたので地区全体が水田鏡になっていました。感激です。
去年までは“田んぼ鏡”とか“鏡田んぼ”と呼んでましたが、今年からは“水田鏡”にします。“スイデンカガミ”でも“スイデンキョウ”でもよろしいのですが、水田(ミズタ)さん家の鏡ちゃんではありません。ところでどこかの水田さん家に麻里ちゃんっているのだろうか。真理ちゃんや茉莉ちゃんでもいいけど。…………いいや、そんなこと。
蕨平(わらびだいら)地区にも美しい水田鏡があるんですが、まだ一枚だけしか水が入ってませんでした。
白馬三山を映す新緑まばゆい瑞穂地区の水田鏡と、全面水田鏡になるのが楽しみな蕨平地区の部分水田鏡(写真 3・4)。
part 69~71までは桜とハナモモの話題ばかりでしたけど、他の花も可憐に咲いてたのでちゃんと撮ってあります。むしろ違う花が嬉しかったし。
大手(おおいで)地区の農道を歩いていたら鮮やかな黄色が目につき、近寄ったらレンギョウでした。枝の隙間から白馬鑓ヶ岳が見えたので何気なくパチリ。
帰って確認したら絵ハガキみたいな景色だったのでさらなる可能性を感じ、次の快晴にも行ってみたらもう散ってました。
レンギョウの花と白馬鑓ヶ岳(写真 5)。
最近はムスカリってどこでも見かけるようになりましたが、ボクが子供のころはムスカリとかヒメオドリコソウって見なかった気がします。あのころはカラスノエンドウとか田んぼ一面に咲くレンゲばかりだったような。それが今やレンゲ畑なんて見かけなくなってしまいました。化学肥料の普及によりレンゲ農法が減ったからでしょうけど、レンゲ畑がなくなり蜜蜂も去ってしまった。そういえばツユクサも少なくなってるし。
アルプスを背景にしたムスカリを撮ろうと地面に這いつくばり、美しく写るアングルを探していたらいつの間にやらハチがいなくなっていた。あれっ?
あたりを見渡してもいないので、左横の石垣の向こう側を慌てて覗いてみたら後ろ足を引きずりながらスタコラ勝手に先へと歩いてました。退屈してたのだろうけどやめてくれ。心臓に悪い。
なので写真は1枚しか撮っておらず、ちょっと納得してないけどムスカリと白馬三山(写真 6)。
コブシが終わりかけたころからモクレンが咲き始め、同じような姿だけど咲く時期はズレるんですね。
ピンクのモクレンはてっきりシデコブシかと思っていたら違ってました。それにしても遠目だとよく似ている。
空の色がイマイチだったので次の快晴を待って再び撮りに行ったらこれまた散っていた。レンギョウもそうでしたが、チャンスは今しかない、次はないってことなんですかね。何事においても。
散歩の途中で見つけたピンクのモクレンと、毎年咲くのが楽しみなアパート横の気高き赤紫色のモクレン(写真 7・8)。
最後の花は散歩途中ではなく、我がアパートのテラスで咲いています。
アパートの裏に花屋さんがあり…………去年も同じことを書きましたが世間一般常識的表現としては花屋の裏に我がアパートがあるんですが、お店の前に沈丁花らしき大きな鉢植えがありました。花も葉っぱも沈丁花っぽいけど香りは薄い。薄いけど香る。ボクは沈丁花の香りが2番目に好きです。1番はクチナシ。3番はキンモクセイ。
ちょっと沈丁花の香りとは違うけど買っちゃおうかな。
それでお店の大女将?に聞いたところミヤマキシミというそうですが、気分的には沈丁花なので3株だけ小さい鉢に植えていただきました。
鉢に刺してあるラベルにはスキミアルベラって書いてあるぞ。どうやらミヤマキシミの園芸品種というものらしいけど何がどう違うんだ?
太陽から飛来した陽子が地球の大気に衝突して発生するμ(ミュー)ニュートリノの性質を調べるため、奥飛騨神岡のスーパーカミオカンデへ撃ち込むμニュートリノを茨城県東海村のJーPARC(大強度陽子加速器施設)で作り出してるみたいなもんだろうか。
いや違う。μニュートリノの性質はどちらも同じだ。もういい。
ミヤマキシミを樹木図鑑で調べたら
「暖かい地域の林に自生し……………」
んっ?……………白馬村は少なくとも暖かい地域じゃないし、わりと豪雪地帯なんだけど……………
「秋には球形の赤い実をつけ、有毒」
えっ、有毒?
秋にこの辺りで変死体が見つかったらボクは容疑者として尋問を受けることになるのか?
トリカブトじゃあるまいし(写真 9)。









